KDDIは2018年1月、IoT(Internet of Things)向けLTE規格「LTE-M」の通信サービスを国内で初めて開始する。サービス名は「KDDI IoTコネクト LPWA(LTE-M)」。通信速度を抑えて低料金を実現した。例えば月間通信量が10キロバイトまでの「LPWA10」というプランは、1回線当たり月額40円から(契約回線数が500万1回線以上)という料金設定だ。

 LTE-Mは、通信速度や周波数帯域幅を抑えることで、より多くの端末を収容し、料金や端末コストを低くできる。例えばスマートフォン向けのLTE(Cat.4)は周波数幅が最大20MHz、下りの通信速度が150Mbpsである。これに対し、LTE-Mは周波数幅を1.4MHzに抑え、通信速度は1Mbpsしか出せない。

従来のLTEとLTE-Mの比較
出所:KDDIの資料に基づき作成
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 LTE-Mには既存のLTE基地局をソフトウエアのアップデートだけでそのまま使えるメリットもある。このため、既存のLTEに比べて迅速なエリア展開が可能となる。「2018年1月にサービスインし、6月までに全国をカバーする予定だ。従来のエリア構築とまったく違うスピードで進める」(KDDIの原田圭悟 ビジネスIoT推進本部 ビジネスIoT企画部長)。

伝送距離を10kmから15kmに延ばす

 KDDIの新サービスでは、LTE-Mと併せて低消費電力やエリアカバレッジ拡大のための新技術も採用している。

 低消費電力は「eDRX」(extended Discontinuous Reception)と「PSM」(Power Saving Mode)を使い分ける。

KDDIの新サービスで消費電力を減らす仕組み
出所:KDDIの資料に基づき作成
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 eDRXは基地局から端末への呼び掛け(ページング)の間隔を既存方式の1.28秒から最大44分へと大幅に延ばして消費電力を抑える。eDRXについては、既存LTEと組み合わせる形でNTTドコモが2017年10月にサービスを始めている。

 PSMはページングの受信を最大13日間やめて、さらに電力を減らす。LTE端末には、通信データを基地局とやり取りする「接続状態」、間欠的に受信するページングを待ち受けている「アイドル状態」がある。PSMでは「省電力状態」という新たな状態を追加した。省電力状態は、端末を電源オフとほぼ同じ状態にすることで、アイドル状態よりもさらに消費電力を抑えられる。

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