IoT(インターネット・オブ・シングズ)分野でビッグカップルが誕生した。日立製作所は2017年10月4日にトヨタ自動車との協業を発表。IoTを中心にした日立の基盤サービス「Lumada」を活用し、トヨタが持つデータや業務ノウハウと日立のITやOT(制御・運用技術)を組み合わせてこれまでにない事業モデルを作る。

 日立は製造業分野向けだけでもダイセルやオークマ、ダイキン工業との協業を発表。日本最大かつ世界最強クラスのモノ作り企業をパートナーに迎え、IoT事業の拡大に弾みを付ける。

表 日立製作所がLumada事業で協業を発表した主な企業
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 トヨタと組んで目指すのはデジタル技術を使った高効率の生産モデルの構築だ。トヨタのモデル工場で、車両を生産する高岡工場とエンジンを生産する上郷工場(いずれも愛知県豊田市)でこの10月にさっそく実証実験を始めた。実験の期間は2018年3月までの計画だ。トヨタはIoTを使った生産効率向上に自前でも取り組んできたが、「外部のITを活用して競争力をさらに強化する」(トヨタ広報)。

 具体的には製造現場の生産性の向上と製品の品質向上を目指す。生産性に関する改善の対象は、加工や組み立て、塗装といった各工程で共通する製造設備の動きや人の動きだ。例えば設備の稼働実績データと実際に発生した故障との関係を分析して、故障の予測モデルを構築。故障の予兆をこれまで以上に早くつかんで機器を補修し、生産ラインの停止を防ぐ。

 製品の品質向上に向けた取り組みの一例が、不良品を生み出す原因分析だ。複数の工程からデータを収集・分析して真因を探り、製品品質のばらつきをなくす。「データの相関関係の分析には人工知能(AI)を活用する」(日立)。

 日立とトヨタは得た成果を「工場内の様々な工程にも展開する」(トヨタ)。製造設備の故障予測システムをテスト工程にも展開するなどして、工場全体の生産性や品質を高める。

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