NTTドコモは2017年9月、ふくおかフィナンシャルグループと組み、車載機器付きオートローンの実証実験を始めると発表した。ふくおかフィナンシャルグループでオートローンに契約し、了解を得た顧客の車両に車載機器を設置。走行データを活用した新商品の開発を目指すという。

 携帯電話事業者であるNTTドコモがオートローンの実証実験を始めると聞くと、やや唐突に感じるかもしれない。ただ、同社は数年前から自動車関連ビジネスの強化に取り組んできた。対外的には公表していなかったが、密かに全社横断のプロジェクトチームを発足。吉沢和弘社長や阿佐美弘恭副社長が歴代の主査を務めてきたことからも、力の入れ具合が分かる。

 これまでは水面下の動きが中心だったが、2017年7月には「コネクテッドカービジネス推進室」を新たに設置。自動車向けの通信サービスだけでなく、自動車の購入から利用、売却までのカーライフ全体を支援するサービスプラットフォームを展開すべく、本格的に動き始めた。「2020年度に売上高で最低3桁億円(数百億円)を目指す」(コネクテッドカービジネス推進室長の谷直樹執行役員)と鼻息は荒い。

NTTドコモはカーライフ全体を支援するサービスプラットフォームの展開を目指す
出所:NTTドコモ
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回線提供だけでは収益の拡大に限界

 同社が自動車関連でこれまで力を入れてきたのは、自動車向けの通信サービス。ネットワークにつながった「コネクテッドカー」は、国内外ともに今後5年間で2~3倍程度拡大するとの予想がある。先進国に限らず新興国での需要も高まると想定し、SIMカードを差し替えることなく、遠隔から現地事業者の通信サービスに切り替えられる「eSIM(Embedded SIM)」への対応を強化。eSIMの対応国は約70カ国に拡大した。

 とはいえ、自動車メーカー向けの回線提供はこれまでの動きを見る限り、「NTTドコモ+日産自動車」「KDDI+トヨタ自動車」「ソフトバンク+本田技研工業」といったフォーメーションが確立している。これを切り崩すのは容易ではない。このため、既存の自動車に後付けできる車載機器の提供にも力を入れる。2017年4月にはパイオニアと組み、LTEの通信機能を搭載したドライブレコーダー「TMX-DM02A」も投入した。

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