フリマアプリ最大手のメルカリがサービスの信頼性向上を急いでいる。画像やテキスト認識向けの機械学習技術の開発を本格化。不正出品の早期検知や出品の手間削減を図る。取引の信頼性向上へブロックチェーンも導入。出品者の本人確認の厳格化といった施策と合わせて盗品や規約違反の出品を防ぐ。国内フリマアプリ市場の3分の1を占めるとも言われるメルカリだが、サービスのさらなる成長に向けて信頼性重視へ舵を切る。

 「今後注力する技術は人工知能(AI)と機械学習。メルカリしか提供できない価値の高いサービスの実現に向けて、世界中で機械学習のエンジニアを採用している」。メルカリのCTO(最高技術責任者)を務める名村卓執行役員は、こう打ち明ける。

出品物の価格推定など「利用者の体験を改善するためにも機械学習を活用する」と語る名村CTO
[画像のクリックで拡大表示]

 同社が機械学習の技術開発に取り組む最大の狙いの1つが不正な取引の防止である。盗品や偽ブランド品のほか、利用規約に違反する現金や商品券などの出品を自動的に検知してサポート担当者に知らせたり、出品を自動的に削除したりできるようにする。

 メルカリは出品物やサービス利用者の様々なデータを不正検知システムに機械学習させている。出品物に関するデータは写真画像や商品説明のテキストデータだ。商品説明には商品名のほか、商品状態、カテゴリー、ブランド、サイズなどがある。

 サービス利用者に関しては、サイト内での行動データを蓄積・分析する。商品の検索や商品画像のタップ、コメント、価格交渉、出品履歴、出品者と購入者がやり取りするメッセージなどだ。

 メルカリの1日当たりの出品数は100万点超、写真画像データの投稿数は数百万点に上る。同社は出品物や利用者の行動履歴のデータを不正取引の防止に生かす。例えば過去に偽ブランド品などを出品したりトラブルになったりした利用者の行動パターンを機械学習し、利用者に注意喚起のメッセージを送る。

 メルカリは主力のフリマアプリのほか、子会社のソウゾウが2017年8月に始めたブランド品専用のフリマアプリ「メルカリ メゾンズ」などに順次、機械学習による不正検知の仕組みを導入していく。既に導入済みなのが、利用者の行動履歴から不正取引を推定する技術。サポートセンターの人員による24時間体制の監視と合わせて、不正取引をあぶり出す。偽物と疑わしいブランド品を自動的に検知する技術も一部導入しており、実証を重ねて精度を改良していく。

 機械学習などを使った不正取引の防止機能は「米国市場で特に重要になる」(名村CTO)。米国はクレジットカードの偽造が横行しており、「偽造カードが日本よりもカジュアル(気軽)に使われる」(同)からだ。偽物の出品や送付も目立つといい、不正取引防止の必要性がより高いという。同社が米国でサービスを正式に始めたのは2014年9月。「利用者がいやな思いをしないよう、不正から利用者を守る」(同)。

この先は会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)登録で5月末まで無料!