Amazon Web Services(AWS)などのパブリッククラウドサービスを早期に導入したユーザー企業の間で、仮想マシンを使わない構成に切り替える「サーバーレス化」に取り組むケースが増えている。目的はコスト削減に加え、サーバーの稼働監視やセキュリティ対策といった運用負荷の軽減にある。

 セイコーエプソンは2013年からデータセンターのシステムをAWSに移行する取り組みを進めており、現在は仮想マシンの「Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)」を軸とした構成のサーバーレス化に取り組む。アマゾン ウェブ サービス ジャパンが開催した年次イベント「AWS Summit Tokyo 2017」(5月30~6月2日)の基調講演で、セイコーエプソンの熊倉一徳IT推進本部長が明かした。

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 これまではオンプレミス(自社所有)環境からAWSへの移行を円滑に進めるため、「仮想マシンを使って従来のシステム構成を変えずに移行していった」(熊倉氏)。今後はAWSが運用の一部を代行するマネージドサービスを使い、「常時稼働のサーバーを持たないサーバーレス化を実現することにより、業務改革やアプリケーション開発の速度向上につなげていきたい」と話す。

 2017年9月21日には、パナソニックの社内カンパニーであるエコソリューションズ社が、アマゾン ウェブ サービス ジャパン主催のプライベートイベント「AWS Cloud Roadshow 2017 大阪」で、サーバーレス化の取り組みを説明した。ここではその内容を紹介する。

 「2013年からクラウドの仮想マシンを使ってサービスを提供してきたが、運用コストが課題になっていた。そこでサーバーレス化に踏み切った」――。パナソニック エコソリューションズ社 システム開発センター ビジネスソリューション開発部の天野昌幸BIM企画・開発課長はこう語る。

パナソニックの社内カンパニーであるエコソリューションズ社 システム開発センター ビジネスソリューション開発部の天野昌幸BIM企画・開発課長
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 サーバーレス化の対象としたのは、建物の温度や蒸気ボイラーなどの圧力といったエネルギーデータを分析し、建物の熱源システムや空調システムを適切に調整するツールだ。従来はEC2を中心とした構成だった。天野氏は「利用者が少ない早朝や夜間は無駄なコストが多かった」と振り返る。サーバーの稼働監視やパッチ当てなどのセキュリティ対策も自前でやる必要があるので「保守の手間やコストが負担になっていた」(天野氏)。

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