2017年8月から9月にかけて「全国瞬時警報システム(Jアラート)」で、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したと警告する情報が一部地域の住民に伝わらない障害が続いた。

 Jアラートは市町村の防災行政無線や携帯電話のエリアメール、緊急速報メールを使って、弾道ミサイルのほか津波や地震などの緊急情報を全国に伝えるシステムだ。消防庁の集計では2017年8月29日の発動時には24市町村で障害が発生。9月15日の発動時も少なくとも2市町村で障害があった。Jアラートの対象地域は北海道から北関東まで12道県の617団体で、障害があった自治体は4%弱に当たる。

 原因は多岐に渡るが、集計済みの8月29日の障害で最も目立ったのは7団体で起こった情報伝達用メールの設定ミスだ。なかでも多くの障害に関係したのがマイナンバー導入で強化したセキュリティ対策だった。

LGWANとネットを隔離したが経路を変更せず

 総務省は2015年に起こった日本年金機構の情報漏洩事故を受け、地方自治体に向けてセキュリティ強化の指針を打ち出した。2017年7月までに、マイナンバーを使う事務系システムは他のシステムと通信を切り離すこと、中央省庁や地方自治体を結ぶLGWAN(総合行政ネットワーク)とインターネット環境を切り離すことなどが骨子だ。

 インターネットを安全に利用するための「セキュリティクラウド」と呼ぶ緩衝帯を各都道府県が運営する仕組みも導入した。市町村の庁内LANからインターネットに接続するシステムは、セキュリティクラウド内にあるファイアウォールを経由してインターネットにつなぐ経路を設定する必要がある。

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