全日本空輸(ANA)は空港業務でビジネスチャットを核とした業務改革を実施した。コミュニケーションの基盤をトランシーバーや携帯電話などの音声からチャットに移行することで効率性と正確性を上げたほか、ビジネスチャットの導入に併せて出発業務を担う各部門の権限も見直し、定時出発に向け分刻みで動く現場で迅速な情報共有や判断ができるようにした。

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(上から)搭乗口担当(GI)、搭載担当(FI)、出発工程管理担当(PI)の3業務でビジネスチャットを導入した
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トランシーバーでの通話が8~9割減

 大勢の親子連れでにぎわう8月のある平日、羽田空港の第2ターミナル。出発便がピークとなる朝夕は、羽田から各地へ向かう出発便の準備が同時に20便並行で進む。各搭乗口担当(GI)のスタッフやスーツケースなどの受託手荷物を貨物室に載せる搭載担当(FI)、オペレーションセンターで全般的な指揮を執る出発工程管理担当(PI)など各担当者の忙しさもピークとなる。

 「BOD(搭乗)OK出ました」「L2(左側の2つめのドア)クローズいかがでしょうか」「受託(手荷物)ゲートから無しのトータル46でお願いします」――。現場を担う搭乗口と搭載担当者との間でテンポ良く会話が交わされる。ただ、少し前まで見慣れていた空港の光景と違うのは、スタッフがトランシーバーで通話する光景がほとんど見られなくなったことだ。代わりに現在は、上述のようなやり取りがパソコンやスマートフォン(スマホ)のチャット画面で交わされている。「今も重要な一斉連絡などはトランシーバーを使うこともあるが、コミュニケーションの8~9割はビジネスチャットに移行した」。ANAエアポートサービス総務課の松村有資主席部員はそう胸を張る。

 ANA子会社で羽田空港の旅客業務を担うANAエアポートサービスは、それまでトランシーバーと業務用スマホの音声通話が主体だった出発担当者間の連絡を、L is Bのビジネスチャット「direct」へと2017年7月下旬に切り替えた。

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