NRIが発売した「TRAINA」のデモ画面。複数のファイルを印刷したいというユーザーの質問文を受け、「Excelファイルか」「ではWordファイルか」などと補足質問をして、ユーザーの質問の意図を明確にしてから回答する
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 人工知能(AI)を実業務に適用した代表例として、IT技術者はもちろんそれ以外の一般消費者にも知られるようになってきた米IBMの「Watson」。そのWatsonに対抗する和製システムが名乗りを上げた。野村総合研究所(NRI)が2016年6月30日に発売した「TRAINA(トレイナ)」である。

 TRAINAはAIを活用し、質問者との対話により知識データベースの中から質問者に役立つ知識を提示するもの。コールセンターやWeb上のFAQデータベースの検索システム、バーチャル秘書サービスなどを主な対象とし、NRIが得意とする金融業界をはじめ多様な業界に展開したいとする。

 NRIはTRAINAの特徴として、「2つの独自機能により、他社製品より的確な回答を迅速に出せて、導入期間やコストも削減できる」(NRI ビッグデータイノベーション推進部 ビッグデータビジネス推進グループの小高徳彦グループマネージャー)と主張する。この2つの独自機能は、「質問力」と「育成力」に関わるものだ。順に見ていこう。

AIがユーザーに補足質問し、ユーザーの意図を明確に

 「質問力」とは、ユーザーからAIへの質問ではなく、逆にAIからユーザーに質問するというもの。すなわち、ユーザーが質問文を入力した後に直ちに回答文を提示するのでなく、ユーザーの意図をより明確にするために必要な情報をユーザーに追加で尋ねる、「補足質問」というべきものだ。

 TRAINAはまず、ユーザーの質問文を解析して意図を理解し、いくつかの回答候補とそれぞれの確度を算出する。そのうえで、さらにユーザーの疑問に正対した最終回答を提示できるよう、回答候補の中からさらに絞り込むための補足質問文を生成しユーザーに提示して回答を求める。

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