ソフトバンクグループが2016年に買収した半導体設計大手の英アームは、米マイクロソフトなどと協力してクラウド用のサーバーやPC向けのプロセッサ事業を拡大する。このほど来日したサイモン・シガース最高経営責任者(CEO)が日経コンピュータの単独インタビューに応じ、出遅れている分野でのシェア拡大に意欲を示した。

英アームのサイモン・シガースCEO
写真:村田和聡

 アームは半導体チップの設計情報をCPUメーカーに提供してライセンス料を得ている。省電力や小型化の技術に強く、スマートフォン向けのCPU市場では95%以上のシェアを持つ。2016年にソフトバンクグループが3兆3000億円で買収したのを機に日本でも知名度が高まった。

 ウエアラブル機器やストレージ、自動車向けなどの組み込み分野に強い一方、サーバーやノートPCといったエンタープライズ分野は米インテルが圧倒的に強くアームのシェアは「ほとんどない」(シガースCEO)。

 シガースCEOは巻き返しに向けて「マイクロソフトや米レッドハットなど世界のソフトウエア大手と協力していく」と強調。アームのCPU技術に対応したソフトを増やす意向を示した。

「MSはアームの技術をかなり支持してくれている」

 アームは10年ほど前からオープンソース・ソフトウエア(OSS)のアーム対応などを進めてきたが、対応OSやアプリケーションソフトがなかなか増えず、シェアが伸びなかった。だが2017年3月にマイクロソフトがサーバー向けOSのWindows Serverをアームの技術に対応させる検証を始めたと発表。クラウドのMicrosoft Azureでも採用を計画しているという。

 シガースCEOは「マイクロソフトはデータセンターで稼働するワークロード(処理)の半分にアームの技術を適用できると言っている」と述べた。「マイクロソフトは実際に置き換えを決めたわけではない」としながらも「アームの技術をかなり支持してくれている」と自信を見せた。

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