写真1●三菱東京UFJ銀行の亀田浩樹執行役員システム本部長兼システム企画部長
撮影:菊池くらげ
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 「Amazon Web Services(AWS)に移行するシステムに“聖域”はない。現時点では計画していないものの、勘定系システムをクラウド化する可能性は十分にある」。三菱東京UFJ銀行の執行役員である亀田浩樹システム本部長兼システム企画部長(写真)は日経BP社の取材に対してこう話した。

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2017年1月、AWSを本格的に採用する方針を公表した。メガバンクで初めてのAWS採用宣言に、国内IT業界の注目の的になっていた。

 どこまで“本気”なのか――。AWSを採用するといっても、特定の部門が使う小規模システムだけを対象にするのか、ビジネスの中核を担うシステムまで移行するのかで、宣言の意義は大きく異なる。その本気度を問うため、金融機関で最も重要な勘定系システムが移行対象になるかどうか質問したときの亀田執行役員の答えが冒頭のコメントだ。「可能性は十分にある」という一言だけで、MUFGがいかにクラウド移行に本気であるかが分かる。

 可能性だけならば何とでも言える、と冷ややかに見る向きもあるかもしれない。しかし、金融機関の勘定系システムは話が別だ。ことメガバンクの勘定系システムは国内では大規模システムの象徴的存在である。

 三菱東京UFJ銀行の勘定系システムは、2008年12月に旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行のシステムを統合して構築したもの。この統合プロジェクトでは総費用3300億円、開発工数14万人月が投じられた。まさに桁違いの規模なのである。たとえ可能性だけだとしても、勘定系システムをクラウド化の範囲に含めたということは、MUFGの本気度を十分に表している。

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