ニッポンの競争力強化に向けて政府が動き出した。「生産性向上に向けた攻めの投資を力強く支援します」。安倍晋三首相は2018年1月22日の通常国会の施政方針演説で力を込めた。

 支援策の目玉が2018年度の税制改正大綱に盛り込まれた「IoT投資減税」だ。2021年度までの時限措置で、対象はIoT(インターネット・オブ・シングズ)やビッグデータなど、様々なデータを連携させたシステムや関連する設備である。減税に対応する新法を今春にも提出し、夏にも導入する計画だ。

表 2018年度からのIoT投資減税と過去のIT投資減税の違い
連携するセンサーやロボットにも減税の恩恵
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 法人税制では3%以上の賃上げをした企業が上昇した人件費の一部を税額控除できる「賃上げ減税制度」もあり、IoT投資減税はこれと並ぶ柱だ。両者は組み合わせて適用可能。安倍政権が経済界に繰り返し要請してきた賃上げと同じく、IoT投資にインセンティブを働かせようとする狙いが読める。

 IT関連投資の減税措置は、かつてITバブル崩壊後の2003年度から景気浮揚策として導入されたことがある。景気が堅調に推移するなかで政府が再び減税に動くのは、企業が生産性改革に取り組むよう強く背中を押し、景気拡大を持続させる狙いがあるからだ。

労働生産性2%アップが条件

 IoT投資減税は生産性改革を目的とするため、過去のIT投資減税と設計が異なる。最大の特徴は、データ連携の仕組みで生産性を向上させる投資計画を策定し、経済産業大臣の承認を得なければいけない点だ。過去の減税は領収書があれば全てのIT関連の購入品目が減税対象になったが、今回は計画に組み込まれた品目だけが対象だ。

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