仮想通貨ビットコインから派生した分散型記録管理技術「ブロックチェーン」を実サービスに応用する取り組みが世界的に進んでいるが、開発の力点は日本と欧米とで大きく異なる。ブロックチェーン技術は当面、日本と欧米で異なる進化の道を辿ることになりそうだ。

写真●インフォテリアの平野洋一郎社長兼CEO(右)とテックビューロの朝山貴生代表(左)
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 「かつてインフォテリアがXMLに勝機を見いだし、20億円以上を調達して『ASTERIA』を開発したときも、開発や収益化には時間がかかった。ブロックチェーンも息長く見てほしい」。

 2016年1月14日、インフォテリアが開催した記者説明会で、平野洋一郎社長兼最高経営責任者(CEO)はこう述べた(写真)。インフォテリアのデータ連携ソフト「ASTERIA WARP」とテックビューロのブロックチェーンソフトを連携させる実証実験を2016年1月に始め、同年4月の販売を目指す。

 2015年12月から2016年1月にかけ、ブロックチェーン技術に関連した国内企業のリリースが相次いだ()。三井住友銀行などの金融機関だけでなく、非金融のIT関連企業の名前も並ぶ。特に、情報システムの低コスト化や耐障害性の向上を狙い、企業単体で社内システムにブロックチェーンを適用する「プライベート型」を想定した取り組みが多い。

表●2015年12月以降に発表された国内企業のブロックチェーン関連リリース
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 IT関連企業の発表ラッシュを仕掛けたのは、インフォテリアと協業したテックビューロだ。同社は大阪を拠点にビットコイン取引所を運営しつつ、ブロックチェーンソフト「mijin」の開発も手掛けている。

 同社代表の朝山貴生氏は、投資元である日本テクノロジーベンチャーパートナーズ(NTVP)村口和孝代表の人脈も活用しながら、2015年9月頃からIT関連企業を矢継ぎ早に訪問。事業提携を成立させ、リリースの下地も作成した。提携先を1応用分野当たり1社に絞ることで、多様な分野で実証実験を行えるようにした。

 提携先の中には、必ずしも金融用途を想定していないにも関わらず、図らずも「FinTech銘柄」として個人投資家の注目を集め、株価の急上昇を招いた企業もある。いずれの提携も短期ではなく中長期の成果を目指すものだが、実証実験の結果によっては株の失望売りを招くリスクも抱える。

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