電子工作やクラフトなど、モノ作りが好きな人が集まるイベント「Maker Faire」が今年も東京ビックサイトで開催された。10年前に米国で始まり、現在は世界各国で開催されている大型イベントだ。電子工作好きにとっては、話題の格安PCボード「Raspberry Pi」などを使って、どんなものが作れるのか、アイデアと刺激を得られる格好の場所になる。今年の注目の作品を紹介しよう。

 モノ作りが好きな人が自分の作品を出展して皆で楽しむイベント「Maker Faire Tokyo 2016」が2016年8月6、7日に東京ビックサイトで開催された。Raspberry Piやマイコンの「mbed」、スマートフォン、ロボットなどいろんな機器を使って、楽しいアイデアを実現する例が目立った。

電池要らずの環境センサー

 電子工作とIoT を楽しむ会「コネクト・ミー」が展示していたのは、家庭菜園監視システム「植物ったー」(図1)。これは電池が不要な「エネルギーハーベスト」を利用したセンサーと見守りロボット、さらにTwitterへ情報を発信するRaspberry Piを組み合わせた作品だ。

図1●電池なしで動くセンサーで家庭菜園を監視
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 エネルギーハーベストとは、光や運動、温度差などの環境エネルギーを使って駆動する仕組み。植物ったーでは独EnOcean社のエネルギーハーベスト無線センサー(ロームなどが販売)を使い、気温、湿度、照度、土壌湿度、風速を調べて、無線でRaspberry Piに送信する。Raspberry Piは、土が乾くと「喉が渇いたよ」、水やりをすれば「ありがとう」といったつぶやきをTwitterに投稿する。

 3Dプリンターで作ったロボット「にゃんぼっと」は家庭菜園をいつも気に掛けてくれる存在。1000円以下で変えるWi-Fiモジュール「ESPWROOM- 02」を使ってRaspberry Piと通信し、センサー情報や天気予報情報などを取得する。家庭菜園の状況をしゃべって教えてくれたり、尻尾を振ったりする。

「帰るコール」を自動化

 おうちハック同好会の木村大介氏は、ユカイ工学の家庭用ロボット「BOCCO」を自分なりに便利にした作品を動かしていた(図2)。BOCCOは、自宅にいる子供に親が声のメッセージをスマホから送ったりできるロボット。これを使って木村氏は、妻への「帰るコール」を自動化した。

図2●「帰るコール」を自動化するロボット
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 持ち歩いているスマートフォンと、ヤフーのクラウドサービス「my Things」を組み合わせ、自宅の1km以内に自分が近づいたら、BOCCOのサーバーに通知する。これでBOCCOが「もうすぐ帰る」ことを妻に伝えてくれ、食事の仕上げなどが始められる。(忘れがちな)帰るコールを確実に伝える仕組みだ。

 「ロボットなどには興味がない妻も実際に便利に使ってくれている」(木村氏)という。一度、機器の不調などで帰るコールが届かなかったら、妻から苦情を言われたくらいだ。

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