この連載では、先が見えない「暗闇プロジェクト」を担当するマネジャーにとって参考になりそうなヒントやノウハウを紹介している。

 前々回(現場に行かずにマネジャーが危機の予兆をつかむ方法は存在する)と前回(「役割分担をはっきりさせよう」、メンバーがこう言い出したら危機のサイン)では、危機の兆候を察知するためのセオリーを紹介した。今回も、関連した二つのセオリーを説明する。

セオリー1
「できる、できない」と「やりたい、やりたくない」の議論を混同しない

 マネジャーが「扱いにくいな」と感じる部下や後輩はどこにでもいる。IT企業に勤めるG氏はその一人だ。

 G氏はこれまで複数のプロジェクトに携わってきた。ブロジェクトの規模や内容はそれぞれ異なるが、共通しているのはどのプロジェクトでもマネジャーがG氏に手を焼いたことだ。依頼された仕事にとにかく難癖をつけたがるのである。

「このタスクにこれだけの時間がかかります。新たな依頼は引き受けられません」
「それは経験がないので、勉強する必要があります。期限には間に合いません」
「その作業は○○君の方が経験があります。彼に依頼した方がいいのではないですか?」
「それは必要な作業ですか? 目的が××なら、作業する必要はほとんどないと思いますよ」

 上司にとっては腹が立つ言い分である。しかし、とにかく弁が立つので、理屈でG氏を説得するのは容易ではない。

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