モバイルPCでは、周辺機器に対する拡張性を確保するため、あるいはその拡張性を生かしやすくするために、「ドッキング」という手法が使われることがある。

 例えば、各種コネクターをまとめた外付けボックスを用意し、PCとは1本のケーブルで接続して各種コネクターを利用できるようにしておく。PC本体に最小限のコネクターしか実装しないことで薄型・軽量化しつつ、据え置き利用時には外付けボックスの「ドッキング」により拡張性を確保することができる。

 また、外部のコネクターボックス側にインタフェース制御の回路を実装しておき、電源を入れたまま着脱できるようにした製品もある。通常はこうした動きのできるコネクターボックスをドッキングステーションと呼ぶことが多い。

 Windows 95の時代からドッキングについてマイクロソフトはOS側に何らかの仕組みは用意していたが、これまではUSBやスリープ、プラグ・アンド・プレーといった様々な技術の組み合わせとしてPCメーカーがドッキングを実現してきた。

 Windows 10では、ドッキングについてPCメーカーに寄らない、より汎用的なサポートを組み込んでいる。マイクロソフトが公開した資料を読み解くと、「Universal Docking」を目標としているようだ。Windowsでドッキングをユーザーインタフェースも含めて公式にサポートし、先に述べた「ステーション」側を汎用のデバイスとして扱おうとしている。

マイクロソフトは、Windowsでドッキングを標準機能として対応した。PCやスマートフォンなどからどのドッキングステーションも利用できるようにする「Unversal Docking」が目標だ。
(出所:米マイクロソフト)
[画像のクリックで拡大表示]

機器に寄らず使える汎用のドッキング

 これまでドッキングステーションは、特定のPC専用になりやすい機器だった。プラットフォームの世代交代などで、PC本体を短期間で使わなくなったりすると、ドッキングステーションは高コストなオプションになってしまっていた。

 しかし、モバイルPCでも机の上で利用する時間はそれなりに長いはずだ。ドッキングステーションは、移動していない時間のPCの拡張性を確保する有用な仕組みだ。汎用的なドッキング技術があれば、PCメーカーが自社の個々の製品に対して個別のドッキングステーションを用意する必要がなくなる。サードパーティの参入や、公共の場所にドッキングステーションを配置することも期待できる。

 マイクロソフトが提唱するドッキングは、いわゆるインテル互換CPU用の一般的なPC向けWindows 10だけでなく、ARMプロセッサを使う「Cellular PC」や、Windows 10 Mobileも対象になっている。マイクロソフトは、Windows 10 MobileのContinuum利用時のディスプレイなどの接続や2in1のキーボード部の分離もドッキングというカテゴリーで一括して機能を提供するつもりのようだ。

ここからは会員の登録が必要です。