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徹底解説 Oracle Database 11g 企業インフラの革新に効く機能強化の全貌
Vol.1 総論:Oracle Database 11gの全貌 ユーザーの声を反映した機能強化により企業システムの現場が直面する課題を解消
Oracleデータベースの約4年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「Oracle Database 11g」が,いよいよリリースされることになった。この最新バージョンで,最も注目されるのは“Real Customer Release”つまり“真のユーザー視点”を追求していることにある。具体的には,現在のオープンシステムにおけるユーザーが抱える様々な課題への“回答”を機能として実装しているのだ。日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤 智光氏に具体的な特徴やコンセプトについて聞いた。
日本のシステム構築が抱える課題を解消する 日本オラクル株式会社 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤 智光氏

今日,企業が急速なビジネス変化に柔軟に対応し,高い競争力を獲得していくには,戦略的なITの利用が必要不可欠な要件となっている。米国では,顧客獲得や新規サービスなどの「攻め」のIT投資に対して多くの予算を割り当てるなど,経営戦略における戦略的IT投資の重要性は広く浸透している。ところが,日本企業においては,いまだに運用管理や既存システムの改修に多くの予算が割かれており,企業のIT予算の8割はいわば「守り」のIT投資に充てられているのが実情だ。

日本企業において,運用管理に関わるコストが肥大化している大きな要因の1つは,ITの複雑化にある。現在の企業のITシステムは,サーバー,ストレージといったハードウェアや,その上で動くOS,データベース,ミドルウェア等のソフトウェアのそれぞれにおいて,複数の世代やベンダーの製品が混在している。その結果,日々の運用管理は複雑化し,障害時における問題解決に負担をかける結果を招いているのだ。

原因はそれだけではない。日本の企業のシステムおよび運用を行うシステム・インテグレータの多くは,新しい技術やシステムの変化に対して保守的であり,新しい技術が紹介されてもなかなか採用を行おうとしない傾向がある。データベースに関して述べると,二世代も三世代も古いバージョンの機能(Oracle7やOracle8で実装された機能)しか使いこなしておらず,新しいバージョンや機能を活用すればノンコーディングで簡単に実現できることでも,あえてカスタム・プログラムを開発し,運用管理を行っているユーザーも多い。こうした状態では,システムを更新しようと思っても,個別に作成したカスタム・プログラムについてもメンテナンスしていかなければならない。これにより運用管理コストの増大に拍車をかけ,最悪の場合には,そういったカスタム・プログラムに引きずられシステムを更新できないといった悪循環に陥ってしまっているのだ。

「Oracle Database 11gのリリースに際しては,きちんと最新製品の価値をお客様にお伝えし,このような日本のシステム構築における悪い風習を改善して,ユーザー企業の運用管理コストに対する課題を解決していきたいと考えています」と日本オラクルの三澤 智光氏は語る。

ユーザーの“声”に応える“Real Customer Release”

これまでのOracleデータベースにおけるメジャーバージョンアップの歴史を振り返ると,新たにリリースされる製品は,革新的なテクノロジーによってシステムのアーキテクチャそのものを改善する新しい提案を行ってきた。例えば,Oracle 9iにおけるOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)然り,Oracle Database 10gにおけるグリッド然りである。これに対し,Oracle Database 11gは,“Real Customer Release”という目標が掲げられている。Oracle Database 11gの開発においては,実際に多くのユーザーからの意見を反映し,ユーザーがシステム運用において本当に困っている課題を,データベースの機能拡張によって解決することを狙っている。つまり,ユーザーが抱える具体的な課題をすぐに解決する革新的な機能を実装したメジャー・リリースといえるだろう。

さらに,この“ユーザーの課題解決”という考え方は,Oracle Database 11gの新機能をすぐに活用できるよう,より高品質なリリースを目指している点にも表れている。

図1「オラクルの技術革新」と「顧客が求めるもの」の融合
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図:Oracle Database 11gの製品コンセプト。今回のバージョンでは,従来バージョンからの「革新的テクノロジーによるイノベーションの実現」に対し,「ユーザーから寄せられた要望に対応するソリューションの提供」が融合されている。

「オラクルでは1,500人以上の開発者やテスト担当者を投入し,延べ1,500万時間を超えるテストを実施するなど,お客様に安心してご利用いただける品質で製品を提供することにとりわけ大きな投資を行っています。これにより,すべてのお客様が速やかにそのメリットを享受できることになるわけです」(三澤氏)。

もちろん,“すぐに使える”という取り組みは,製品の機能ベースに閉じた話ではない。Oracle GRID Centerなどの検証施設におけるパートナーとの共同検証プロジェクトもその1つ。日本オラクルでは,安心してユーザーがOracle Database 11gの最新技術のメリットを享受できるよう,様々なハードウェア上で新機能を検証し,ベストプラクティスとして活用するための具体的な情報ユーザーに提供していく予定だ。あわせて,パートナーに対する技術トレーニングやセールストレーニングなども製品のリリースにあわせて展開していくという。

Oracle Database 11gで解決するユーザーの4つの課題

それでは,Oracle Database 11gは,ユーザーのどのような課題を解決していくのだろうか。以下の4つのテーマで,お客様の課題を解決するOracle Database 11gの機能拡張を紹介していきたい。

まず1つ目は「システム変更時の障害を未然に防止(詳細は9月25日公開予定)」である。一般にシステム障害は,OSやデータベースのアップグレードなどのシステム変更を契機に発生することが多いため,システム変更の前に綿密なテストを実施することが重要だ。しかし,実際には多くの企業では,コストや工数の面で,システム変更時に十分なテストを行うことができず,それにより,システム障害を引き起こしてしまっている。これに対しOracle Database 11gでは,新たに「Real Application Testing」という機能を提供。これにより,システム変更時のテストをより短期間に,より高い品質で実現することが可能だ。

「Real Application Testing」は,本番環境で稼働する実際のアプリケーションのワークロードをキャプチャし,それをテスト環境において再現することで,よりリアルなテストを実現するもの。本番環境のワークロードを用いた精度の高いテストを行うことで,より安全にシステム変更を実現できるのだ。

2つ目は「より高品質なサービスを低コストで実現(詳細は10月2日公開予定)」である。Oracle Databaseは,その高信頼性から災害対策を踏まえた完全な無停止システムの構築などの用途にも広く活用されてきた。Oracle Database 11gでは,こうした信頼性の高いサービスとコストの抑制をさらに高度な次元で両立させている。この具体例として挙げられるのが,普段ほとんど稼働していない災害対策用サイトのリソースの有効活用だ。Oracle Database 11gでは,災害対策用のスタンバイ・データベースを実現するOracle Data Guardに大幅な機能拡張が行われている。Oracle Database 11gでは新たに導入されたActive Data Guard機能により,災害対策用のスタンバイ機をレポーティングやバッチ処理等の読み取り専用で常に稼働させることができる。また,データベースのバックアップをスタンバイサイトで取得することも可能となる。これにより,災害対策用サイトのリソースを有効活用できるようになる。

これに加え,従来からのFlashback技術を拡張した「Total Recall」も新たに搭載され,データの変更追跡や監査,あるいは人的エラーの回避などに対するサポートも強化されている。

3つ目は「データ量の肥大化への対応(詳細は10月9日公開予定)」だ。近年,企業システムで保有すべきデータの総量は,ビジネスにおける非構造化データの取り扱いの拡大や,コンプライアンスへの対応のための長期データ保存に対する要求により,すさまじい勢いで肥大化しつつある。こうした要請に対してOracle Database 11gでは,データベース独自の視点でILM(情報ライフサイクル管理)をサポートする機能を提供。「パーティション自動化機能などにより,例えば,アクセス頻度の低いデータを低廉なストレージ装置へ移動したり,アーカイブへ保存したりといった具合に,ストレージに対してデータをより柔軟な形で配置できるような仕組みが整備されています」と三澤氏は紹介する。

また「Advanced Data Compression」と呼ばれる最新のデータ圧縮技術も搭載。もちろん圧縮機能は,Oracle Databaseの従来バージョンでも搭載されてきたが,今回のバージョンでは高度な圧縮機能をOLTPにも適用できる点が大きなポイントだ。

こうしたILM機能を活用すれば,肥大化するデータの効率的な管理と運用が可能になり,ストレージコストの大幅な削減が図れるだろう。

そして最後の4つ目が「様々な形式のデータをビジネスに活用(詳細は10月16日公開予定)」というメッセージである。今日の企業システムでは,映像や音声,地図情報,XMLデータなどの非構造化データの利用が急速に増大している。これまでもOracle Databaseでは,こうした非構造化データをデータベース上で効果的に管理・活用するための仕組みを積極的に提供してきた。今回のOracle Database 11gでは,さらに「SecureFiles」という新機能を搭載することで,非構造化データを取り扱う際のパフォーマンスを大幅に向上。ファイルシステムを凌ぐ高速な性能を実現している。また,XMLデータについても「Binary XML」および「XMLIndex」といった機能により,従来以上に高速なXMLデータへのネイティブアクセスが実現されている。また,RFIDやDICOM(医用画像),3D(地図/空間情報)といった新たなデータタイプをサポート,複雑化するデータを効率的に扱える環境を整備している。

三澤氏は「このようなOracle Database 11gの新技術を,実証結果や活用方法をあわせて,きちんとお客様に提供することで,現在お客様が直面しているシステム運用における課題の解決を支援していきたいのです」と述べる。

図2「Oracle Database 11g」4つのメッセージ
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図:Oracle Database 11gにおける4つのメッセージ。ユーザーのシステム運用に関わる課題を4つの局面から捉え,それぞれに対する最適な機能群を提供することで,トータルな課題の解消を実現する。

以上のように,製品開発におけるコンセプトや機能面など,様々な局面において新機軸が打ち出されているOracle Database 11g。冒頭で述べたような国内の現状に対して,ブレークスルーをもたらす製品として大いに期待したい。

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