写真●米インテルのペリー・オルソン インフォメーション・リスク&セキュリティ・マネジメント ディレクター
写真●米インテルのペリー・オルソン インフォメーション・リスク&セキュリティ・マネジメント ディレクター
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 BYOD(私物デバイスの業務利用)環境の整備により、1日に57分、社員1人当たりの生産性が向上している──。米インテルで社内情報セキュリティ管理を統括する、ペリー・オルソン ディレクターが、日経情報ストラテジーの取材に応じ、約10万人の社員向けBYOD環境による成果をこう明かした。

 同社がBYOD環境を社内に整備したのは、2010年後半のこと。同社の社員は世界各地の顧客や、他の拠点にいる社員とネットでコミュニケーションをとりながら仕事を進めていくことが多い。その際、社外から社内で管理する業務データを閲覧する必要がある。

 BYOD環境導入前は、社外にいる社員は、支給されたノートPCなどからVPNを使ってインテルの社内ネットワークに接続しなければならなかった。そのため、「社外で問い合わせを受けたとき、VPNにアクセスできない場所にいると、アクセスできる場所にわざわざ移動するなど手間がかかった。海外や離れた拠点にいる顧客や社員からの問い合わせに、すぐに対応できないことがあった」とオルソン氏は振り返る。

 それを、社員が私物のスマートデバイスを使って社内ネットワークにアクセスできるようにした。このようなBYOD環境の定着後、社員にアンケート調査を実施したところ結果、社員1人当たり1日に57分、生産性が向上したことが分かった。これは、社外で問い合わせを受けた時にも、文書ファイルにアクセスできる場所に移動するなどの時間が1時間ほど省くことができ、省いた時間を本来の仕事に割り当てられていることを意味する。

 ただし単に、社外にいる社員が私物利用のスマートデバイスを使えるようにしたわけではない。BYOD環境には、アクセス制御により情報漏えいを未然に防ぐ仕組みを組み込んだ。

 具体的には、社員が社外からアクセスしたときに、社員個人だけでなく、利用している端末やネットワークの種類なども識別。それらを踏まえてアクセス制御を行う。

 例えば、社員が仮にセキュリティを十分確保していない無線LANからアクセスしている場合、社内ネットワークからは閲覧できる機密度の高い文書ファイルにはアクセスできないようにする。機密度に応じてアクセス制御できるように、それぞれのデータに対して数段階ある機密度を事前に設定しているという。

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