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IBMの大企業病をアナリティクスが救う(後)

2013/11/29

Rob Enderle CIO

アナリティクスで企業の本当の姿を把握

 生のデータを基にしたアナリティクスを的確に行えば、データをダッシュボードに反映し、ビジネスの本当の姿を幹部が把握できる。IBM Enterprise2013では、テニスの全米オープンの事例が紹介された。Webサイトやアプリに関するダッシュボードでアナリティクスを活用することで、サービスを適切にプロビジョニングしたり、負荷やコスト削減をリアルタイムで把握したりできているという。

 何者かがデータを改ざんしない限り、社員が職務をきちんと遂行しているかどうか、上役や幹部がひと目で把握できる。問題があっても言い逃れはできない。これを見て思ったのは、トラブルが相次いでいる「オバマケア」の保険加入サイトも、同じようなシステムを導入していれば、障害を回避したり、原因を明確に特定したりできたのではないかということだ。

 筆者がIBMにいた頃、どうにも我慢がならなかったのは、自社のテクノロジーを導入していなかったことだ。自社で導入すると、顧客に向けられるリソースが減るという馬鹿げた理由によるものだった。だが、現在はそのようなことはない。IBMが自社製品を活用して自らのビジネスを成功へと導いているということをCIOがたびたび話している。現在のIBM製品でアナリティクスを的確に活用すれば、同社がかつてのような問題に再び直面することは決してないはずだ。筆者が最終的に同社を離れる要因となり、同社を破綻寸前まで追い詰めたような問題である。

 実直なMills氏と話ができたのはうれしかった。会社の体制に付け入る能力ではなく、職務遂行能力によって幹部の座に就いた人物である。同氏はテクノロジーを理解しているだけでなく、自社内でテクノロジーを的確に活用し、同社の存続と発展を支えていくことにも意欲的だ。同氏のような人物が事業を率い、アナリティクスを「Watson」のような意思決定エンジンへと進化させる製品を持つIBMは、顧客を成功へと導き、自らの将来を確実なものにできる。自己保身で企業を破滅へと導きかねない幹部から会社を救ううえで、アナリティクスが鍵となる可能性があることを、ぜひ頭に入れておいてほしい。

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

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