「じゃ、LINEに送っておいて!」

 筆者が通勤時など、都内を電車で移動するときに、駅でよく聞くセリフだ。いま、若年層を中心に、国内で急速な普及を見せるNHN Japanのコミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」。パソコン向けのソフトもあるが、主にスマートフォン(スマホ)のユーザーを中心に広がっており、国内・海外、通信事業者を問わず、無料で音声通話やメッセージのやりとりができる。

 ユーザー数は2012年6月に国内で1800万人を突破。スマホ利用者が国内携帯電話契約者数の40%、約4000万人だとすると、スマホ利用者のほぼ二人に一人が利用している計算だ。本記事では、LINEに代表される通信系アプリの普及が通信業界の構造にどのような影響を与えるかについて、考察した。なお、通信網への負荷増大の件は、本稿では扱わない。

LINEユーザーは、毎週100万人増えている

 「LINE(ライン)」の登録ユーザーは、最近では1週間に100万人以上のペースで増えている。国内の登録ユーザー数は、ソフトバンクモバイルの契約者数とほぼ同規模だ(発表資料)。

 LINEは世界市場向けに提供されているが、登録ユーザーの約半分は国内利用者。6月18日には、企業アカウントの運用も開始した。企業アカウントの増え方は、今後twitterやFacebookと似た展開になるかもしれない(発表資料)。

 「無料通話・無料メール」系のアプリは、LINEが初めてではない。無料通話ではSkype等が有名だが、これほどまで急速に普及したものは筆者の知る限り無かったように思う。以下LINEの普及によって、通信事業者はどのような影響を受けるか見ていこう。

LINEは、来るべき将来を現在に持ってきたアプリ

 この10年来、通信事業者の音声ARPU(1契約当たりの平均収入)は、下落傾向が止まらない。いかにしてデータARPUを伸ばすかに注力してきた通信事業者であるが、いずれ音声ARPUではあまり稼げなくなるだろうと覚悟していても不思議ではない。

 ところが、LINEのようなアプリの普及は、通信事業者が描いていたかもしれない、こうしたシナリオの時間軸を大幅に圧縮した可能性がある。遠くに見ていた(そして、あまり歓迎したくない)未来が、LINE登場後たった1年の間に、近い将来として見えているかもしれない。

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