執行役員IT推進統轄部統轄部長の佐藤方厚氏
執行役員IT推進統轄部統轄部長の佐藤方厚氏
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 建材大手のトステムのIT(情報技術)部門を束ねるのは佐藤方厚執行役員IT推進統轄部長である。佐藤執行役員はシステム子会社であるITインフォメーションシステムズ(ITIS)の業務改善活動を2004年から一貫して推進。ITISの2009年度の運用コストを2004年度よりも34%減らすなどの成果を上げた。

 同社の生産技術部門出身の佐藤執行役員は、改善活動を推進するために生産現場で培った「SDCA」(標準化・実行・検証・見直し)というコンセプトを持ち込んだ。業務改善サイクルとしてはPDCA(計画・実行・検証・見直し)という表現のほうが一般的だが、「PDCAを掲げると、時に改善することばかりに意識が傾き、場当たり的に課題をつぶすモグラたたきのような活動に陥りかねない」と佐藤執行役員は考えている。

 そこでP(計画)の代わりにS(標準化)を意識づけるようにした。「標準化することで、ある部門での改善の成果をほかの部門に応用しやすくなり、全体が底上げされる」(佐藤執行役員)。2004年からITISの各部門が作成した標準の数は400種類に上る。作業手順ミスなどが原因の運用トラブルの発生数は、SDCAに取り組む以前の月間100件弱から、2009年には20分の1に減ったという。

 今でこそ定着したSDCAだが、佐藤執行役員が持ち込んだ当初は「なぜこんなことをやるのか」という疑問の声がITISの社員から上がったという。佐藤執行役員は、改善活動のKPI(キー・パフォーマンス・インジケーター、重要業績評価指標)を細かく使い分けながら、現場の改善意欲を引き出そうと努めた。

 例えば運用トラブルの改善活動では、初期段階は発生件数を減らしさえすれば評価する加点主義のKPIを設定し、成果が出やすい評価体系で改善意欲を高めた。ある程度成果が出てきたら、トラブルがもたらした損失金額や時間を対象にするKPIに切り替えることで、直接的な成果が出なければ減点評価され得るという緊張感を持たせ、活動を盛り上げていった。

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・学生時代に落語研究会だったこともあり、落語が大好きです。現在でも年に1回、OB会で落語を演じています