最先端のソリューションを仕入れて組み合わせる

 「オープン/ソーシャル」はコストダウンの要素が強く、「ネットワークの“向こう側”が多くを知る」は価値創造品質の要素が強い。そして「コラボレーション/マッシュアップ」はスピードの要素が強いといえます。すなわち、これら三つのトレンドを通じて、事業環境やワークスタイルは、安価に、素早く、新たな価値を創造できるように変化してきているのです(図2)。

図2●2010年に向けた三つの重要トレンド
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 新たなワークスタイルをイメージしていただくために、「ネットワークの“向こう側”が多くを知る」を実践している企業を紹介しましょう。SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やソーシャルメディアのプロフェッショナル集団であるループスコミュニケーションズがその一社です。

 同社はかつて、ビジネスSNSを自社ソリューションとして持ち、エンジニアを抱えて開発・販売していました。しかし現在は、自社ソリューション資産の一部を売却し、外部の最新ソリューションをオープンに組み合わせて提供するという、自らは中核資産を持たない事業モデルに抜本的刷新を図っています。

 彼らは、市場のスピードもあまりにも速く、全世界で開発される様々なソリューションをオープンに組み合わせて実現できるワークスタイルや企業システムのほうが使いやすいということに気が付いたのです。

twitterを広報・IRツールとして活用

 具体的には、Google Alert、GoogleAppEngine、twitterなどをマッシュアップし、内外の最先端情報を24時間収集しています。さらに専門テーマごとにナレッジ担当者を決め、ナレッジマネジメント的に全社員で共有しています。収集した情報はアグリゲーションし、twitterを広報・IRツールとして活用して、どこよりも早く最新情報を市場にアナウンスしています(図3)。

図3●ループスコミュニケーションズにおけるオープンな社内ナレッジマネジメント
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 同社の斉藤徹社長は、「ネットワークの向こう側の情報スピードはすさまじい。自社開発すること自体がボトルネックになりかねない。最新情報をリサーチして取り入れ、マッシュアップするプロデュース部分で価値を提供したい。そのようなワークスタイルも提案していきたい」と話します。2010年初頭には社内運用しているナレッジデータベースをオープン化する予定だそうです。これは第1のトレンド「オープン/ソーシャル」にも合致する考え方です。

 こうした取り組みは、「小さな会社だからできる」という話ではありません。ループスコミュニケーションズは大企業からの引き合いや導入実績も少なくありません。ナレッジワーク時代に必要なコラボレーション/マッシュアップ環境とは何かを、自らが実践しながら企業規模を問わず提案しているのです。

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