東京・品川の日本航空インターナショナル本社
東京・品川の日本航空インターナショナル本社

 日本航空インターナショナル(JAL)は,2006年からサーバーの統合化に取り組み,3年間で330台のサーバーを133台に統合した。この結果,統合化しなかった場合に比べ,システムコストを18%削減できたほか,サーバーの消費電力の削減に効果を上げた。仮想化技術を導入したサーバー統合では,70~80%の電力削減効果があったと見ている。

 JALではシステムの柔軟性を高める狙いから,2000年頃から汎用機中心のシステムからオープン系へと移行を進めてきた。それに伴い,管理権限をシステム部から事業部に移管。事業部がそれぞれ独自にシステム開発を推進した結果,東京・田町にある同社のデータセンターのサーバー台数は,2005年頃には2000台を超える乱立状態になってしまった。

 「このままサーバーが増え続けていくと,データセンターのスペース,電力ともに限界がくる」──危機感を覚えたITセンター マネジャーの藤嶋博氏は,解決策としてサーバー統合を検討することにした。当時はまだグリーンITという言葉は一般的ではなかったが,「消費電力を削減することで環境に貢献できる」と説明することで,全社のサーバー統合を円滑に推し進めることができたという。JALでは1993年から,国の大気中の温室効果ガス濃度に関する研究に協力するなど,環境への取り組みを積極的に進めてきた。「社員の環境に対する意識は高く,グリーンITへの協力も得られやすかった」と藤嶋氏は話す。

3つのパターンで統合化を推進

 2006年からJALはサーバー統合を本格化する。実際には,(1)共用サーバー,(2)仮想化,(3)ブレードサーバー,の3つのパターンで統合を進めていった(図1)。

図1●3つのパターンでサーバーを統合
図1●3つのパターンでサーバーを統合
 (1)の共用サーバーでは,1台のサーバーとOS,WASやDBMSなどのミドルウエアを,複数のアプリケーションで共有する方法。同居するシステム同士は共通のルールで運用することになる。(2)の仮想化では,VMwareやVirtual I/O Serverなどの技術を使い,1台の物理サーバー上で複数の仮想サーバーを稼働させる。(3)ブレードサーバーによる集約では,1台のシャーシに,カード型に部品化された複数のサーバーを収容する。

 (1)の共用サーバーでは,1台のサーバーとOS,WAS(Webアプリケーションサーバー)やDBMS(データベース管理システム)などのミドルウエアを,複数のアプリケーションで共有する方法である。同居するシステム同士は共通のルールで運用することになる。

 (2)の仮想化では,VMwareやVirtual I/O Serverなどの技術を用い,1台の物理サーバー上で複数の仮想サーバーを稼働させる。Windows系とAIX系の環境がある。(3)は,文字通りブレードサーバーを使ってサーバーの集積を図るもので,Windows系サーバーで採用している。1台のシャーシにカード型に部品化された複数のサーバーを収容し,サーバーを単体で運用する場合とほぼ同じ独立した環境を実現する。

 JALでは2006年以降,システムの機能追加や老朽化による更改のタイミングに合わせ,この3つのパターンのいずれかの方法でサーバー統合を進めた。

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