「IT業界は学生に人気がない」という話をよく聞く。先日も,大手システム・インテグレータに取材に行ったとき,広報担当者が「学生の採用がなかなか厳しいんですよ」と困り顔で話していた。

 この会社が予定している大卒採用者数は,昨年を若干下回る。それでも担当者には,IT業界の不人気ぶりが気がかりらしい。

 そんなネガティブなイメージとはやや趣が異なる調査結果もある。IT業界と非IT業界のビジネスパーソン3392人を対象に実施した日経コンピュータの調査がそれだ(『3300人大調査――ITの仕事に携わって「良かった!」』を参照)。

 この調査によると,「現在勤めている業界は学生の人気があると思うか?」という問いに対し,IT業界のビジネスパーソンの43.6%が「人気がある」,48.6%が「人気がない」と答えた。「人気がない」のほうが若干多い程度で,まだら模様であることが分かる。

 しかも,非IT業界の回答を見ると,「人気がある」が32.4%,「人気がない」が56.1%だった。これだけを見ると,ビジネスパーソンの印象としては他の業界よりもIT業界のほうが「人気がある」と言えなくもない。

文系学生はIT業界に見向きもしない?!

 当の大学生の間では,IT業界はどれだけ人気があるのだろうか。まず,毎日コミュニケーションズが3月12日に発表した「2009年度大学生就職人気ランキング」を調べてみた。

 文系と理系で別々にランキングを出しているが,初めに文系のランキング上位100社を見て驚いた。パナソニック(21位)やソニー(23位)などの総合電機メーカーを除くと,IT業界の企業は31位のNTTドコモだけ。企業情報システムの構築に直接かかわる企業はゼロだった。

 気を取り直して理系のランキング上位100社を眺めてみる。IT業界の企業が結構ランクインしているので,ほっとした。総合電機メーカーを除くと,NTTデータ(19位),NEC(23位),NTTドコモ(26位),NECソフト(28位),日本IBM(31位),富士通(44位),マイクロソフト(72位),KDDI(81位),ヤフー(99位)の9社がランクインしている。まずまずの人気,というところだろうか。

 しかし,理系より文系の学生が多いことを加味すると,両者を合わせた全体をみると,やはりIT業界の人気は低いほうなのかもしれない。この調査が実施されたのが2008年10月から2009年1月までという点も気になる。本格的な就職活動が始まる前なので,イメージ先行の人気だと言えないこともない。

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