7月15日の開始から1カ月で140万人以上が利用したパリのレンタル自転車ヴェリブ(Vélib´)。市長の“車を捨てて自転車に”は専用路面の整備と同時進行して大好評。成功の鍵は運営を民間JC-DECAUX(ドコー)社に委託したことだ。1600カ所の広告パネルの利用権を10年契約するのと引きかえにパリ市はレンタル自転車の設置運営,メンテナンスをドコー社に任せた。

ハンガリーで生産。1回1ユーロ,1年定期29ユーロ(約4500円),どこで乗ってどこで降りてもいい。レンタル場1500カ所2万6000台まで拡大の予定。ハンドルに使い方が印刷してある
ハンガリーで生産。1回1ユーロ,1年定期29ユーロ(約4500円),どこで乗ってどこで降りてもいい。レンタル場1500カ所2万6000台まで拡大の予定。ハンドルに使い方が印刷してある

 バス停やトイレで成功したこの企業は同じ手法で大気の浄化にも貢献する。市民と観光客の足になりつつあるヴェリブを,落書防止,安全,堅牢という条件クリアのためにプラスチックのカバーで覆い,街になじむ建物の壁に似たグレイがかったベージュ色にした。とはいえモダンデザインが批判の対象になり,現代アートから離れたパリのことだ。最初の30分間無料という条件こそ革新的だが,ヴェリブのデザインの保守性に驚く。だが目立たないデザインこそ環境政策を目立たせる手法かもしれない。

出典:日経デザイン 2008年1月号 7ページより
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