【筆者プロフィール】
飯尾洋一(いいお よういち)
音楽評論家。1965年金沢市生まれ。著書に「クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!」(三笠書房・王様文庫)。名古屋大学理学部物理学科卒業後、音楽之友社にて月刊誌「レコード芸術」「音楽の友」および書籍などの編集に携わる。現在は、クラシック音楽についての執筆などで活躍。1995年よりクラシック音楽ファンのためのWebサイト「CLASSICA」を個人で運営。

「初音ミク」の製品パッケージ
「初音ミク」の製品パッケージ
クリプトン 初音ミク 製品情報
 これはスゴすぎる! ニコニコ動画に投稿された動画の数々を見て絶句。

 「初音ミク」(はつね みく)をご存知だろうか。クリプトン・フューチャー・メディアから発売された音声合成&DTMソフトウェアのキャラクターで、VOCALOID(ボーカロイド)つまりボーカル・アンドロイドと呼ばれる。キャッチコピーは「バーチャル・アイドル歌手を自宅でプロデュース」。ユーザーが楽譜や歌詞を入力すると、パソコンが人間の声で歌ってくれる。そう一言でいってしまうとどこがスゴいのかよく分からないかもしれないが、その発声の自然さや、歌手を16歳のアイドルに設定するというアイディアの秀逸さはこれまでになかったものだ。

 「初音ミクって誰?」とおっしゃる方は、まず発売元クリプトン・フューチャー・メディアのサイトに掲載されているデモソングを聴いてみよう。市販のパソコン・ソフトを使ってここまで歌わせることができるのかと驚くこと必至だ。

 初音ミクは身長158cm、体重42kg、16歳の女の子(と設定されている。こういうディテールの設定はとっても大事だ)。得意ジャンルは「アイドルポップス/ダンス系ポップス」。

 しかし、クラシック音楽好きならこう思うだろう。得意ジャンルじゃなくて申し訳ないけど、クラシックも歌ってくれないか!

この記事は日経パソコンが提供するPConlineの連載コラム「ネットエイジのクラシックジャンキー(筆者:飯尾洋一)」から「『初音ミクでクラシック』の衝撃」(2007年11月2日)を再掲載したものです。

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