真空管オーディオフェア

 東京・秋葉原の損保会館で10月7日と8日に,第12回真空管オーディオフェアが開催された。26社が出展し,真空管アンプの愛好家2860人が訪れた。

コイズミ無線

 自作スピーカ愛好家のためのスピーカ・ユニットやエンクロージャ,パーツを販売する老舗のコイズミ無線は,新製品のスピーカ「ESP-K1」とサブ・ウーファを出展した。

 ESP-K1は,アルパインのユニット「DLX-Z17PRO」を使用した2ウェイ,ブックシェルフ・スピーカである。ウーファは17cm,トゥイータは3cmのリング型で60kHzまで伸びている。クロスオーバー・ネットワークもアルパインのものを使用している。ハイスピードで解像度の高い音を聴かせていた。同じユニットを使用したやや大きめのスピーカ(18リットル)も販売を予定している。2台で18万9000円。寸法は,幅230mm×高さ372mm×奥行き225mm(10リットル)。重量7kg。2006年10月に受注生産を開始した。

 サブ・ウーファにはアルパインの25cmのユニット「DLX-Z25SW」を使用。寸法は幅370mm×高さ350mm×奥行き166mm。ユニットの価格は11万3400円。箱は4万円程度。2006年11月下旬に受注開始予定である。


図12●コイズミ無線の「ESP-K1」


図13●コイズミ無線のサブウーファ

山本音響工芸

 山本音響工芸は,真空管アンプ,スピーカ・エンクロージャなどを販売している。今回のショーでは,「YS-605P」と「YS-604」の2つのスピーカ・システムと,参考出品のスピーカ・ユニット「FU-16」を出展した。

 YS-605PはALTECの同軸型スピーカ・ユニット「605A」,または「605B」を同社でリファインし,シンプルな平面バッフルにマウントして仕上げたスピーカ・システムである。ALTEC 605A/Bは約40年前,604シリーズ同軸型スピーカの家庭用として設計されたとされている。ALTECのスピーカ・ユニットは耐久性が高く,約40年という長い月日を経てもいまだに高く評価され,多くが良い状態を保って使用されている。同社ではこれらの604系同軸型ユニットを約10年前から同社オリジナルのエンクロージャに入れ,「YS-604」として製品化している。YS-605Pは幅996mm×高さ910mm×奥行き285mm,重さ36kg。周波数特性は35Hz~18kHz。価格は1台41万7000円。YS-604は1台52万5000円。両製品とも能率が100dB/W/mと高く,0.6Wの出力しかない同社の真空管アンプ「A-08S WE101D/104D」でも十分な高品質のサウンドが再生できていた。


図14●左が山本音響工芸のYS-604,右が同YS-605P

 「FU-16」は,同社が20年前に販売していたエッジレス・スピーカで,生産を休止していた。同社は今年になってマグネットの着磁機を導入して,2007年より本格的にスピーカ・ユニットを再生産する予定である。FU-16は16cm口径のエッジレス・タイプのフル・レンジ・スピーカで,非常に繊細な音が特徴のユニットである。スピーカの振動系をすべてベークライト系の樹脂のみで支え,それをネジ止めで組み立てるため,製造がかなり困難であるが,この方法でしか得られない情報量の多いサウンドが魅力になっている。コーン紙の初動感度が優れていて,微小音の音質が優れている。発売時期は未定だが,次回の製品は前回の製品のダブルコーンからシングルコーンに変更して製品化する予定だ。


図15●山本音響工芸のFU-16

和光テクニカル

 和光テクニカルは真空管アンプとイタリアの老舗スピーカ・メーカのCharioを販売している。今回は,3種類の新製品を出展した。

 「Chario SILVERETTE 200 TOWER」は3ウェイのトールボーイ型スピーカである。小型スピーカ「SILVERETTE 200」をトールボーイにしたモデル。ウーファは16cm,スコーカは16cm,トゥイータは2.7cmを使用。周波数特性は50Hz~20kHz(-3dB)。出力音圧レベルは89dB(2.83V/m)。寸法は,幅180mm×高さ960mm×奥行き310mm。重量は19kg。価格は2台で20万7900円。2006年10月発売である。

 「Chario Premium 2000 TOWER」は,3ウェイのトールボーイ型スピーカである。7層の密度の異なる素材からなる黒い表面のバッフル板を持ち,エンクロージャとユニットの間で発生する音響スプリアスを約8dB減衰させ,抜けの良いクリアーな音質を実現している。ウーファは17cm,スコーカは17cm,トゥイータは2.7cmを使用。周波数特性は45Hz~20kHz(-3dB)。出力音圧レベルは89dB(2.83V/m)。寸法は,幅210mm×高さ960mm×奥行き325mm。重量は22kg。価格は2台で29万7150円。2006年10月発売である。

 「Chario Constellation Pegasus」は,Premium 2000と同じバッフル板を使用した3ウェイのトールボーイ型スピーカである。ウーファは17cm,スコーカは17cm,トゥイータは2.7cmを使用。周波数特性は45Hz~20kHz(-3dB)。出力音圧レベルは90dB(2.83V/m)。寸法は,幅230mm×高さ1030mm×奥行き370mm。重量は26kg。価格は2台で49万9800円。2006年10月発売である。


図16●「Chario SILVERETTE 200 TOWER」(左)と「同Premium 2000 TOWER」


図17●Chario Constellation Pegasus

サンバレー(ザ・キット屋)

 ザ・キット屋は,真空管アンプやスピーカの組み立てキットを販売しており,今回のショーでは,最上位のスピーカ「WS912」を出展した。

 WS912はAltec Lansngwの30cm同軸2ウェイ・ユニット「CD912-8C」を使用したスピーカで,米松を使用したエンクロージャは,楽器の美しい響きを再現することに成功している。吸音材はニュージーランドのウールとポリエステル混紡の吸音材を使用している。どの音楽ジャンルでも明瞭度の高い再生音を聴かしてくれる。

 ユニットの周波数特性は,75Hz~15kHz。感度は,100dB/W/m。箱の寸法は,幅470mm×高さ600mm×奥行き350mm。重量は1台20kg。価格は2台で17万8000円である。


図18●ザ・キット屋の「WS912」(台は別売)

長谷弘工業

 長谷弘工業は,バックロード・ホーン・スピーカ(小口径のユニットで低音を豊かにするスピーカ形状)を販売しており,今回のショーでは,ピアノ・ブラック(ポリウレタン+カシュー塗装)塗装の新製品「PB-MM-141S」を出品した。

 PB-MM-141Sは,Tang Bandの8cmのユニット「W3-583SA」を使用したスピーカ。通常塗装よりも音が柔らかくなっている。寸法は,幅160mm×高さ450mm×奥行250mm。重量は7kg。価格は,2台で8万9250円。2006年11月発売予定である。


図19●長谷弘工業の「PB-MM-141S」

 真空管オーディオフェア会場の近くにあるオーディオ店のエンゼルポケットで,桐をエンクロージャに使用したスピーカの新製品をデモしていた。

 富山県の桐たんすメーカーの小野沢家具店と,スピーカに詳しいグループが開発したスピーカで,4種類ある。短時間聴いた感じでは,定位がよく,良好な空間表現が実現され,クリアーな音質で,タイプBは,16cmとは思えない豊かな低音が出ていた。

 タイプAは,3ウェイ,3スピーカのシステムである。3つの箱に分かれていて,ウーファは,ユニットが18cmまたは22cm,幅380mm×高さ450mm×奥行き350mm。スコーカは,ユニットが10cm,幅300mm×高さ200mm×220mm。トゥイータは,ユニットが2.5cm,幅180mm×高さ140mm×奥行き180mm。価格は2台で65万円程度の予定。

 タイプBは,2ウェイ,2スピーカのシステムで,ウーファは16cm,トウィータは2.5cm。寸法は,幅320mm×高さ460mm×奥行き270mm。価格は2台で39万円9000円程度の予定。

 タイプCは,Tang Bandの9cmフル・レンジを2本使用している。寸法は幅180mm×高さ300mm×奥行き220mm。価格は2台で10万2900円程度の予定。

 タイプSは,Altec Lansingの10cmフルレンジ「CF404-8A」を使用している。寸法は幅200mm×高さ300mm×奥行き250mm。価格は2台で17万6400円程度の予定。

 発売時期は,すべて2006年11月を予定している。

 Tang Bandの16cmを2本使用したモデルや,Altec Lansingの20cmのユニットを使用したモデルも計画されている。


図20●桐スピーカ タイプA


図21●桐スピーカ タイプB


図22●桐スピーカ タイプC


図23●桐スピーカ タイプS

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