開発No.023 リアル解体ラボ 話題の自動車を分解・分析 サプライチェーンの構成企業がみんなで実施

 自動車メーカーが、秘密裏ながら定期的に実践している作業がある。競合車種のベンチマーキングだ。ライバルメーカーの競合車種を購入し、性能測定を行った後、惜しげもなくバラバラにして徹底的に調査する。ライバル車種のコストや品質、性能を把握し、販売戦略や、次期製品の開発に生かすのが狙いだ。

 ただ、こうした調査を継続的に行えるのは、大企業である自動車メーカーだからこそ。自動車部品のサプライヤーが車両全体を徹底的に調べるのは、予算の面からも、人員の面からも荷が重い。

 そこで、リアル開発会議では自動車を1台丸ごと購入し、これをみんなで分解・分析するプロジェクト、「リアル解体ラボ」を立ち上げることにした。対象とするのは最新の電動車両など話題のクルマ。同ラボでは、完成車メーカーのみならず、部品メーカー、装置メーカー、材料メーカーの開発・設計・製造担当者に集まってもらい、それぞれが得意な分野に関して分析していただく。調査は、下記のようなものを想定している。
(1)コスト
(2)性能・出力
(3)品質
(4)材料・材質
(5)形状・構造
(6)機能
(7)製造方法
(8)調達先
(9)知的財産権

みんなで安く分解し、学ぶ対象は
サプライチェーンを構成する全企業

 このプロジェクトに参加する企業のメリットは大きく3つある。

 第1が、コストの低減である。購入に何百万円、場合によっては1千万円以上する車両の購入費用を参加企業で分担できる。

図

 第2が、分解や分析に必要な場所や機材の入手である。自動車の車両をきれいに解体しようとすると、体育館いっぱいに部品を展開しなければならない。工場内に広い場所があったとしても、多くの企業では、社内調整などでそうした場所の確保が難しいケースも多い。さらに、分解のための工具や、分析のための装置が整っていないケースもある。今回のラボでは、場所や工具を用意するとともに、検査機材もどんどん充実させていく予定だ。

 第3が、学習である。ある製品や部品を開発したいと考えた場合、いきなり設計するのは難しい。同等品を実際に動かして、その動きを確かめ、分解してその構造を知ることが開発への近道である。競合他社の部品を徹底的に分析することで、自社製品の強みと弱みも見えてくるはずだ。

 自社の競合部分だけでなく、全体のシステムとして見ることで、開発者としての懐が広がり、新たなビジネスチャンスにもつながる。実際、自社の活動の一環でベンチマーキングを実施している部品メーカーの開発担当者は「システム全体の動きを知っていたことで、納入先に信用を得て、新たな部品の受注獲得に至った」という体験を持つ。ラボに参加することで、自動車業界内での人脈が広がる。

 本プロジェクトの募集対象は、自動車産業のサプライチェーンを構成する、あるいは一員になりたいすべての企業だ。

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