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遠隔診療の課題と期待

厚生労働省 医政局医事課長補佐 久米隼人氏

2017/12/11 12:00
日経デジタルヘルス

 ここでは、私が遠隔診療について常々思っていることについてお話しさせていただきます。具体的には、遠隔診療がこれからどうなっていくのかという可能性をはじめ、遠隔診療をめぐるさまざま言説への懸念についてです。その上で、どういったところを我々は期待し、行政としてバックアップしていくのかといったことを含めてお話しできればと思います。

 私は2006年に入省し、診療報酬の改定を担当する部署に配属されました。そして2008年の診療報酬改定に携わりました。その後、障がい者政策や留学を経て、日本に帰ってきて医事課に配属になり、遠隔診療を担当することになりました。皆さまがご存じの、2015年8月の事務連絡を出したのは私です。現在は地域医療計画課で、地域医療構想や医師確保対策、働き方改革にも携わっています。

 こうしたいろいろな政策を進める中で、遠隔診療をもっと活用できる部分があるのではないか、もっと医療を発展させていくことができるのではないか、といったことを思いながら日々仕事をしています。

さまざまな観点から期待できる遠隔診療

 遠隔診療に対して、私は大きな期待ができると考えています。私が留学した英国では、基本的にGP(General Practitioner)と呼ばれるかかりつけ医がいて、遠隔診療のような形の医療も普通に行われています。大病院には大きな病気をしたり手術をしなければいけなかったりするときに行くという感じで、普段はかかりつけ医にかかります。ですが、そのかかりつけ医もすぐにアポイントが取れないことがあり、そんなときには遠隔で対応している。そういう姿を目の当たりにして、日本に帰ってきました。ちょうど日本でも遠隔診療を進めていこうという機運が盛り上がっていて、2015年8月の事務連絡発出につながったというわけです。

 それでは、遠隔診療には具体的にどのようなことが期待できるのでしょうか。まず、患者の利便性や医療へのアクセスの向上という点から、大きな可能性を秘めています。

 医療機能の分化・連携という点からも期待できると考えています。日本では今、地域によっては医療資源が非常に不足しています。これから高齢化を迎えるにあたって、全国各地にくまなく医師を配置し、どこででも最高の医療を提供できるようにすることは難しい状況です。

 そこで、医療の機能をどのように分化・連携していくかが重要になります。地方に医療資源を重点的に配置することが難しい場合、遠隔診療を使うことで、都市部にいる専門医へのアクセスが可能になる。それによって、効率の良い医療を提供できる場合があると考えられるのです。

 医療従事者の働き方改革にもつながるでしょう。これから高齢者が増えて、2025年には団塊の世代すべてが75歳以上になっていく中で、在宅医療の普及が大きな課題になります。ところが、訪問診療など24時間体制であたることは現実には難しい場合もあると考えられます。もし患者の状態が安定しているのであれば、遠隔診療で対応できる部分があるのではないかということです。

 遠隔診療のインフラが整備されていけば、経済成長やイノベーションにつながる側面もあるでしょう。これらの点から、非常に可能性を秘めた分野だと考えているわけです。

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