「夢の新素材」とも呼ばれる「セルロースナノファイバー(CNF)」の開発が、日本はもちろん、北米や北欧を中心に世界で加速しています。CNFは既存の材料にはない優れた特性─軽量で高強度、低熱膨張性であり、液体にチキソトロピー性を付与できるといった変幻自在な特性―を持ちます。加えて、植物が光合成により作りだす再生可能なバイオマス資源であることから、枯渇の心配がありません。そのため、大きなビジネスチャンスが見込まれています。事実、経済産業省は、2030年に国内において1兆円市場への成長を見込んでいます。将来有望なこの新材料について、開発の最前線にいる2人の講師が、基礎から開発状況、自動車分野におけるビジネスチャンスまでを解説します。

第1部では、世界の最先端を走る京都の取り組み、そして今まで積み上げられてきたCNFの知見を紹介します。CNFに関する技術開発の動向や、国内のCNFメーカーの状況、長年にわたって京都において検討されてきたCNF強化熱可塑性樹脂材料の開発の変遷、京都プロセスにより生産されるCNF強化熱可塑性樹脂の特性などを解説します。

第2部では、CNFの実用化に大きく期待する自動車業界におけるビジネスチャンスを探ります。2030年の自動車を想定し、今後求められるニーズを予想します。予想するニーズと現状のシーズを照らし合わせることで、今後のCNFの開発について方向性を整理します。

受講効果

  • CNFに関する最近の報告例や京都における開発の変遷を紹介します。新規開発の方向性を考えたり、CNFの開発において何が重要かを感じたりできる機会になります。
  • CNFの各種評価を知ることで、CNFを開発する上でどのような評価が必要か分かります。
  • 将来の自動車の悩みと期待を整理できるとともに、自動車の材料や設計、成形法の観点からシーズを評価できます。
  • ムダ、ムラ、ムリのない適材適所の考え方を理解できます。

講師紹介

仙波 健 氏 (せんば たけし)

京都市産業技術研究所
高分子系チーム チームリーダー、博士(学術)

仙波 健 氏

1997年、京都工芸繊維大学高分子学科卒業、京都市工業試験場に入庁。2007年京都工芸繊維大学にてポリマーブレンドの研究で博士号取得。担当分野は、プラスチック加工、プラスチック複合材料。京都市域の企業を中心に発泡成形品、歯科製品、リサイクル製品、自動車材料の研究開発に携わっている。2003年頃より京都大学生存圏研究所・矢野教授の指導を受けCNF/プラスチック複合材料の開発を開始し現在に至る。京都工芸繊維大学 博士(学術)。

影山 裕史 氏 (かげやま ゆうじ)

金沢工業大学
大学院工学研究科 高信頼ものづくり専攻 教授(元トヨタ自動車)

影山 裕史 氏

1981年、東京工業大学・大学院・有機材料工学修了後、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)に入社。東富士研究所におけるCFRPを中心とした複合材料、バイオプラスチックなどの研究開発を通し、本社でそれらの量産化を担当。2014年、同会社を退社後、金沢工業大学・工学研究科・高信頼ものづくり専攻にて、学の立場で自動車材料の在り方を研究中。

概要

日時: 2018年6月12日(火)10:00~17:00(開場9:30予定)
会場: Learning Square新橋 (東京・新橋)
主催: 日経ものづくり

受講料(税込み)

  • 一般価格:49,800円
  • 読者・会員価格:43,200円
  • ※お得な複数名同時申込もできます。詳細は青いお申し込みボタンをクリック
■読者・会員価格
「読者・会員価格」は、日経エレクトロニクス、日経ものづくり、日経Automotive各誌の定期購読者の方(日経 xTECHとのセットを含む)あるいは、旧・日経テクノロジーオンライン年払い有料会員(675から始まる読者番号)が対象です。なお、対象が変更となる場合があります。
■複数名同時申込価格
開催日の3日前(土日・祝日がある場合はその前日)に受付を終了させていただきます。
  • ※受講料には、昼食は含まれておりません。
  • ※満席になり次第、申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。

プログラム詳細

10:00 - 17:00

【第1部】
セルロースナノファイバー(CNF)とは何か
――基礎から最新開発動向まで

1.セルロースナノファイバー(CNF)の基礎と開発状況

 1.1 CNF構造部材、関連コンソーシアムの活動概況
 1.2 企業、大学などの取り組み
 1.3 特性・性状
 1.4 開発の現状
 1.5 京都でのこれまでの取り組み

2.機械力によるCNFコンポジットの作製

 2.1 CNF/ポリマーの混練手法の検討、想定される装置
 2.2 低温押出
 2.3 劣化着色抑制
 2.4 繊維分散性と繊維劣化抑制のための添加剤の検討

3.機械力から化学処理を導入したCNFコンポジットの作製

 3.1 カチオン変性
  ・変性の機構、変性剤の種類
 3.2 カチオン化CNF/ポリアミド12の特性
 3.3 カチオン化CNF/ポリアミド11の特性
  ・力学的特性
  ・分散状態
  ・耐熱性
  ・摺動性
  ・自動車用PPEアロイとの比較など

4.化学変性と加工技術の同時進化

 4.1 化学変性と同時複合解繊押出法
 4.2 CNF/ポリエチレンの特性
 4.3 CNF/ポリアセタールの特性
  ・力学的特性
  ・結晶構造
  ・分散状態
  ・摺動性など

5.化学変性のさらなる進化と一貫製造プロセス-京都プロセス

 5.1 新規化学変性CNFの内容、耐熱性、結晶性
 5.2 新規化学変性CNFによるポリアミド、ポリアセタール、ポリオレフィン、バイオポリマー複合材料
  ・力学的特性
  ・分散状態
  ・耐熱性
 5.3 低コスト化、様々な樹脂への適用性の考え方
  ・セルロース水酸基の置換度と相溶性

6.さらなる高温加工材料への展開、適用できる熱可塑性樹脂の限界は?

7.アプリケーション

 7.1 セルロースナノファイバーコンポジットの最近の発泡成形

  ・高倍率発泡
  ・力学的特性
  ・CNF発泡成形体のまとめ
 7.2 セルロースナノファイバーの染色と材料着色
  ・ブレンドによる発色 染色液、成形体
  ・まとめと可能性

8. 最新の結果

【第2部】
自動車におけるCNFのビジネスチャンス
――材料、設計、成形法の観点からのシーズを知る

1.自動車を取り巻く環境の変化

 1.1 MaximizeとZeronize
 1.2 環境車両の量産化と課題

2.2030年に向けた自動車

 2.1 単なるモビリティではない
 2.2 モビリティのケーススタディ
 2.3 日本のモビリティ予想

3.自動車構成材料の変遷と今後

 3.1 自動車構成材料の緊急課題
 3.2 軽量材料への期待とCFRPの現状と課題

4.CNFへの期待

 4.1 資源の観点から

 4.2 材料の観点から
 4.3 設計の観点から
 4.4 成形の観点から
 4.5 FRPとのコラボ

5.環境省によるNCV(ナノセルロース車)プロジェクト

  • ※途中、昼休憩と午後の小休憩が入ります。
  • ※講演時刻等、随時更新いたします。また、プログラムは変更になる場合があります。あらかじめご了承願います。
■受講料のお支払い
≪1名でお申し込みの場合≫
お支払い方法が「請求書」の方には、後日、受講券・請求書を郵送いたします。
ご入金は銀行振込でお願いいたします。なお、振込手数料はお客様のご負担となりますので、あらかじめご了承ください。
クレジットカード支払いの方は、受講証はMyPageから印刷してご持参ください。
≪複数名同時申込の場合≫
お支払い方法が「請求書」の場合、お申込筆頭の方に、後日、筆頭の方の受講券と全員分の合算請求書を郵送いたします。
ご入金は銀行振込でお願いいたします。なお、振込手数料はお客様のご負担となりますので、あらかじめご了承ください。
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※支払方法にかかわらず、申込完了後にお申込筆頭者の方宛に、「登録完了メール」をお送りしますので、2人目以降の方はそちらを印刷してご持参ください。
 筆頭の方は、2人目以降の方に、「登録完了メール」の転送をお願いいたします。
■お申し込み後のキャンセルおよび欠席など
お申し込み後のキャンセル、ご送金後の返金はお受けいたしかねます。代理の方が出席くださいますようお願いいたします。
会場までの交通費や宿泊費は、受講される方のご負担となります。講師等の急病、天災その他の不可抗力、その他やむを得ない事情により、中止する場合があります。この場合、受講料は返金いたします。
■最少開催人員
15名。参加申込人数が最少開催人員に達しない場合は、開催を中止させていただくことがあります。