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産総研と米PNNL、再エネによる水素製造で包括提携

2017/12/29 22:51
工藤宗介=技術ライター
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高圧水素発生反応のイメージ
(出所:産総研)
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高分解能NMR装置
(出所:PNNL)
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 産業技術総合研究所(産総研)は12月15日、米エネルギー省傘下のパシフィックノースウェスト国立研究所(PNNL:Pacific Northwest National Laboratory)との間で包括研究協力覚書(MOU)を締結したと発表した。再生可能エネルギーによる水素製造が主なテーマとなる。

 両者は「革新事業」として二酸化炭素を利用した水素貯蔵・製造技術を開発しており、MOU締結により革新事業の研究連携の加速および研究者交流の促進が期待できるという。

 産総研のエネルギー・環境領域と材料・化学領域では、経済産業省受託「革新的なエネルギー技術の国際共同研究開発事業」において、PNNLとの連携強化を促進しており、特に二酸化炭素とギ酸の相互変換によって安全に水素貯蔵・輸送・製造できる水素キャリアシステム構築に向け共同で研究している。

 両者は、2007年度から水素製造に関する共同研究を開始し、2014年度には不均一系触媒では世界で最も高い性能を示す新規触媒を開発した。これは、ギ酸を用いた水素貯蔵システムを実用化するのに必要となるという。さらに、産総研は、圧縮機を使わずにギ酸から高圧水素を連続的に供給する技術を開発した。

 このほかにも両者は、2016年度から高効率・安価な水素貯蔵・利用技術の確立を目指し、金属系貯蔵材料の開発でも連携している。PNNLの共用施設である環境分子科学研究所(EMSL:Environmental Molecular Sciences Laboratory)は、触媒反応の解析に有用な超高分解能NMR(Nuclear Magnetic Resonance)装置を保有しており、産総研は同装置の計測データを元に新たな材料や反応プロセスの開発を進めている。

 PNNLは米国ワシントン州に立地する国立研究所で、再生可能エネルギー、地球環境、計算科学、生物、国家安全など、多岐にわたるテーマで研究開発している。共用施設のひとつであるEMSLは、スーパーコンピューターや先端精密機器を多数保有し、環境問題の解決に向けて、物理、化学、生物における分子レベルの研究を行っている。

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