共同研究講座が設置される岐阜大学総合研究棟
(出所:岐阜大学)
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 岐阜大学と三菱重工サーマルシステムズ(東京都港区)は、太陽光など出力の変動する再生可能エネルギーの大量導入に対応した空調制御技術を共同で開発する。

 12月19日、両社による共同研究講座「スマートグリッド電力制御工学共同研究講座」の契約を締結したと発表した。今年4月に制定した新しい産学連携スキーム「共同研究講座」に基づく第1号案件となる。

 共同研究講座は、出資企業のニーズに合致する研究テーマを選定し、知的財産は出資企業に帰属する。今回発表のスマートグリッド電力制御工学共同研究講座では、三菱重工サーマルシステムズのビル用マルチエアコン空調技術の蓄積と、岐阜大学の空調電力需要のスマートグリッド研究の蓄積を活用し、系統側にも需要家側にも最適に空調制御する技術開発で協力する。

 太陽光など変動性の再生可能エネルギーの普及により、将来的に電力系統の瞬時需給を保つのが困難になると懸念される。未来のスマートグリッドでは、広域の需要家群の電力制御によりバランシングに参加する技術が期待される。オフィスビル空調は、需要家群の中でも消費ボリュームと運用柔軟性から有望な候補という。

 大学の新鮮で自由な発想とメーカー開発部門の現実対応能力を組み合わせて、研究から実用化への「死の谷」を渡るための協調体制を目指すという。また、大学院生、特に社会人博士課程と留学生博士課程の教育を通じて、将来を担う空調とスマートグリッドに精通した技術者を供給する。

 岐阜大学には、従来から産学連携制度があったが、個々の受託研究などスポット的なもので、ロードマップに従って体系的に研究遂行するには不十分だった。また、継続的に維持される制度では寄附講座制度があるが、メーカー開発部門のニーズに十分適合できず、岐阜大学工学系では設立されていなかった。