事業概要
(出所:東京電力HD)
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米国オハイオ州の蓄電池システム
(出所:東京電力HD)
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 東京電力ホールディングス(東電HD)は12月8日、米国オハイオ州で実施する蓄電池プロジェクトに出資し、持ち分50%を取得したと発表した。海外の電力市場における蓄電池を活用した「調整力提供事業」に日本の電力会社が参画するのは初めてという。

 「調整力提供事業」とは、系統運用者に対して、蓄電池を充放電することなどで、周波数変動(短周期変動)を改善する「調整力」を提供し、対価を受け取る仕組み。米国では、出力変動電源である風力・太陽光の増加で、周波数変動を改善するための調整力の必要性が高まっている。

 今回のプロジェクトは、米東海岸の電力市場運営者および独立系統運用機関であるPJM管内で行われる。英RES社の米国子会社で風力・太陽光の開発・建設事業および蓄電池ソリューション事業を展開するRenewable Energy Systems Americas社(RESアメリカ社)が、中国BYD社製のLiイオン蓄電池(最大出力4MW、容量2MWh)を活用して実施する。

 RESアメリカ社が独自に開発した制御ソフトウエアにより、蓄電池の充放電を遠隔で制御・監視することで、調整力を提供し、系統安定化に寄与する。

 東電HDは、同プロジェクトへの参画により、PJMから周波数調整シグナルを受けて蓄電池を充放電する周波数調整サービスを提供し、対価を受け取るという一連の運営に携わる。東京電力パワーグリッド(東京都千代田区)と協業して、先進的な調整力市場における調達や事業のノウハウを獲得し、国内の市場創設に備える。さらに、海外の他地域に対しても新たなビジネス機会の創出・拡大を目指す。

 日本国内では、2016年から一般送配電事業者による調整力の公募を開始しており、2020年をめどに、調整力の調達や取引を行う市場の創設が検討されている。国内においても蓄電池の充放電によって電力系統運用者に対して調整力を提供する事業の拡大が見込まれる。