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日立、心疾患患者の再入院リスクを高精度に予測

患者1人当たり年間約80万円の医療費低減効果を見込む

2017/12/14 11:15
近藤 寿成=スプール

 心疾患の入院患者が退院後30日以内に再入院するリスクについて、その根拠を提示するとともに、高精度に予測する――。そんな人工知能(AI)技術の開発を日立製作所が発表した。

 今回の技術は、高精度な予測モデルを構築するために深層学習(ディープラーニング)を利用。米国の医療機関Partners HealthCare(以下、PH)が有する処置や投薬、病歴などの医療情報と医療ガイドラインの情報を学習することで、退院してから30日後に再入院するリスクを予測する。

 従来のディープラーニングは、利用した情報と予測結果の因果関係を説明することが困難なため、医療分野での活用には課題があった。そこで日立は、ディープラーニングの学習結果を解析し、医師が理解でき、医療行為に反映するための判断ができるような数十個の要素のみを抽出してリスクを予測する技術を開発。このリスク予測式から、標準的な統計解析手法によって再入院リスクと判断要素の寄与度を算出することで、高い予測精度とリスク根拠の説明という2つを両立した。

今回の技術を用いた再入院リスク予測の活用イメージ
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 予測モデルの構築と、PHと共同で実施した効果検証にあたっては、2014年から2015年に入退院した心疾患患者約1万2000人の電子カルテに記載された治療内容や患者の容体などを利用。この結果、今回の技術はAUC(Area Under the Curve)約0.71という高い予測精度と評価され、実用上の一つの目安となる70%を上回ったとする。さらに、AIが予測したリスクに応じて適切にPHの退院後ケアプログラムを適用した場合のシミュレーションを行ったところ、再入院を防げる患者の数が従来の基準に比べて最大2倍以上になり、患者1人当たりの再入院コストは年間で約80万円削減できる見通しが得られたという。

 日立とPHは今後、これから入退院する患者に対する効果検証や、医療従事者による評価を進め、実際の医療現場への提供を目指す。さらに、日立は今回開発したAI技術を用いて医療向けのソリューションを提供するだけでなく、医療データを用いた予測が活用できる健康保険事業者や製薬、救急サービスなどへの展開も目指すとしている。

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