「ロボカップ2017名古屋世界大会」(2017年7月に名古屋市で開催)において、九州工業大学のチームが「ロボカップ@ホーム」リーグの「Domestic Standard Platform」部門で優勝した。同大学准教授の田向権氏が、優勝チームの採用技術を、システムとLSIの設計技術に関する研究会「DAシンポジウム2017」(2017年8月30日~9月1日に石川県で開催)における招待講演「サービスロボットのための知的処理と組込指向ニューラルネットワーク」の中で紹介した。

 ロボカップは、当初は自律移動ロボットによるサッカーが題材の競技会で、西暦2050年までにサッカーの世界チャンピオンチームに勝てるロボットチームを作り上げることを目標としていた。その後、レスキュー、ホームなど10以上のリーグが追加され、現在は、ロボット工学と人工知能を様々な分野に波及させるランドマークプロジェクトとなっている。

 九州工業大学が優勝した「@ホーム」リーグは人間との共同作業(レストランの従業員、老人の介護など)を行うサービスロボットの完成度を競うもので、少子高齢化の進行を背景に最も成長率の高いリーグとなっているそうである。同リーグの「Domestic Standard Platform」部門は、トヨタ自動車製のロボット「HSR」で競う。

図1●サービスロボットに搭載されている機能。田向氏の発表スライド。
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 レストランの従業員を例に取ると、下記の様な動作を行うために様々な機能が必要であり、九州工業大学のロボットにはこれらの機能が搭載されているとのことだった(図1)。なお、図1は@ホームリーグのオープンプラットフォーム部門に参加したロボットで、九工大が優勝したDomestic Standard Platform部門のロボットとは異なるが、搭載されている機能は同様である。

  • ①ウエイター(人間)に教わりながら事前に環境地図を作成してテーブルの場所を覚える
      →SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)、自然な音声対話
  • ②指定の場所で注文を取る
      →SLAM+経路生成+移動台車制御、自然な音声対話と意味理解
  • ③呼ばれていることに気づき注文を取りに行く
      →画像認識(手振りなど)、音声認識+音源定位ダミーテキスト
  • ④調理担当者に注文を伝え用意してもらう
      →自然な音声対話 ダミーテキスト
  • ⑤用意された物体の中から注文されたものを把持する
      →画像からの物体切り出しと物体認識、アーム制御
  • ⑥注文した人のところまで持っていく
      →SLAM+経路生成+移動台車制御

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