経済産業省は11月28日、電力・ガス基本政策小委員会の制度検討作業部会で、再生可能エネルギーの「非化石価値」取引に関して議論し、新市場の導入スケジュールなどに関する事務局案を提示し、概ね了承された。2018年5月上旬までに初回の入札を実施する。

証書の売却益で国民負担を軽減

 今回、規定された「非化石価値」は、小売電気事業者向けの制度のため、固定価格買取制度(FIT)による再エネ発電事業者にとって事業環境はまったく変わらない。ただ、再エネ電気の小売りサービスが活発化することで、電力需要家にとっては、「再エネ電力メニュー」を購入することで、これまで埋もれていたFIT電気の「非化石価値」を環境アピールに利用できる(図1)。

図1●非化石価値取引市場の仕組み
(出所:経済産業省)
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 今回、取引制度の方向性が示されたのは、非化石電源(再生可能エネルギー・原子力)のうち、FITを使って導入された再エネの「非化石価値」。これまで、FIT電源の環境価値は賦課金を払っている全電力需要家に帰属すると整理し、事実上、埋没していたが、今回の制度によって顕在化することになる。

 ただ、FIT発電事業者が自由に売買できるわけではない。FIT電源の電気から分離された「非化石価値」は、低炭素投資促進機構(GIO)が「非化石証書」の形で、日本卸電力取引所(JEPX)を通じて、小売電気事業者に入札(オークション)で売却する(図2)。売却益は、FIT発電事業者の追加利益とせず、FIT賦課金の国民負担の低減に使う。

図2●FIT非化石証書の取引スキームイメージ
(出所:経済産業省)
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 2017年4~12月のFIT発電分に関し、その非化石価値を2018年4月末~5月第1週に入札を実施し、非化石証書として売却する(図3)。その後は、3カ月分を3カ月ごとに入札する。初回入札での最低価格は1.3円/kWh、最高価格は4.0円/kWhと設定した。

図3●非化石価値取引市場の創設スケジュール
(出所:経済産業省)
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