COP23に合わせて開催された水素協議会のイベント
(出所:Hydrogen Council)
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 トヨタ自動車の内山田竹志会長など企業経営者18人が参加するHydrogen Council(水素協議会)は11月13日、水素利用に関する調査報告書を公表した。それによると、二次エネルギーに水素システムを導入することで、2.5兆米ドルに相当するビジネスと、2000万人の雇用を生み出す可能性があるという。

 同報告書「Hydrogen, Scaling up」では、水素システムを大規模に導入することで2050年までに、エネルギー需要全体の5分の1が水素を媒体に消費される可能性があるとしている。再生可能エネルギー由来の電気を使って製造する水素の割合が増えることで、CO2排出量を現状比で年間約60億t削減でき、地球温暖化を2℃まで抑えるのに必要なCO2削減量の約20%を賄えるという。

 二次エネルギーとしての「水素」の需要は、2050年までに現在の10倍になると見込んでいる。2030年までに1000万~1500万台の燃料電池乗用車および50万台の燃料電池トラックが走ると試算するほか、産業セクターでも、原材料、熱源、動力源、発電用、貯蔵など、さまざまな工程で利用されると想定する。

 このような水素システムの大量導入に伴う投資額は年間で200億~250億ドル、2030年までに2800億ドルが必要であると試算する。現在、世界中ではエネルギー分野に毎年1.7兆ドルが投資されており、その中には石油・ガス(6500億ドル)や再生可能エネルギー(3000億ドル)、自動車産業(3000億ドル以上)が含まれる。

 Hydrogen Councilの共同議長を務めるトヨタ自動車の内山田竹志会長は、「水素は、低炭素エネルギーへの移行に欠かせない。というのは、水素を媒体とすることで風力、太陽光、そのほかの再生可能なエネルギーによる電力を貯蔵・運搬し、運輸など様々な分野で利用できるからだ」などと述べた。

 Hydrogen Councilは、水素システムが果たす役割を推進する、グローバル企業のCEO(最高経営責任者)によるイニシアチブで、2017年に設立された。トヨタ・内山田会長のほか、仏Air Liquide社CEOのブノワ・ポチエ氏が共同議長を務める。メンバー企業18社全体では、1.3兆ユーロの収入、200万人以上の社員を有する。