オーストラリアの再生可能エネルギー開発事業者であるウインドラボ(Windlab)社と風力発電大手のベスタス(Vestas)社は10月23日、太陽光、風力、定置型蓄電池からなる出力60.2MWのハイブリッド発電プロジェクト「ケネディ・エネルギーパーク(Kennedy Energy Park)」(第1期)の詳細を発表した。

 太陽光、風力、蓄電池を統合し、電力網に接続する実用規模のプロジェクトとしては世界初という。持続的で信頼性の高い再生可能エネルギーによる電力を安定供給できる。

 ウインドラボ社は、「これまで再エネの大量導入で課題となっていた電力網の不安定化に対処することで、オーストラリアや他の国々が再エネの導入量をさらに増加させるための手段を提供したい」としている。

 同プロジェクトは、オーストラリア北東部のクイーンズランド州フリンダーズシャー(Flinders Shire)に建設される。同地域は、風況と日照条件の両方で恵まれているという。

 風力発電では出力3.6MWのベスタス製風力発電設備「V136」を12基採用し、合計出力は43.2MWとなる。これに、出力15MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)と出力2MW、容量4MWhのLiイオン蓄電池システムを組み合わせる。ベスタス社が開発した制御システムにより、ハイブリッド発電所全体を総合管理する。電力網の運用に関する法令の遵守にも対応できるという。

 今後さらにオーストラリアで進められるハイブリッド発電プロジェクトを支援していくために、ウインドラボ社とベスタス社はケネディ第1期の建設と運営から得られる知見や経験を、オーストラリア再生可能エネルギー庁(ARENA)を通じて共有していくとしている。

 太陽光や風力は出力が変動するため、系統への接続量が増加すると問題となるが、これらを組み合わせると相補的となり、さらに蓄電池を併設することで、より安定的で需要に即した電力供給や設備利用率の改善が可能になるという。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、ベスタス社と米Quanta Services社で構成するコンソーシアムが担当し、2018年末までの稼働を見込む。ケネディ・エネルギーパーク全体では1200MW(1.2GW)とする計画である。

 ウインドラボ社は、オーストラリア教育科学訓練省所管の研究開発機関であるオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が開発した大気モデリングや風力エネルギー評価技術を事業化するために設立された企業である。

 首都キャンベラを拠点に再エネ開発事業をグローバルに展開しており、オーストラリアとニュージーランドに加えて北米、アフリカ南部などで稼働中の設備容量は1033MW、建設中のプロジェクトも含めると合計6766MWのポートフォリオを所有しているという。

ベスタス社製の3MW風力発電設備を採用しているオーストラリア・ニューサウスウェールズ州マッカーサーの風力発電所
(出所:Vestas)
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