ホンダと岩谷産業が共同開発した「スマート水素ステーション(SHS)」
(出所:日経BP)
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30kWの太陽光パネルと蓄電池を設置し、CO2を出さずに水素を製造する
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東芝環境ソリューションの開発した「PVスクラッチャー」
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 太陽光発電所のO&M(運営・保守)サービスを手掛ける三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合(青森県三沢市:MSM)は10月3日、青森県おいらせ町で、水素ステーションと太陽光パネルのリユース・リサイクルラインの完成式典を開催した。

 水素ステーションは、燃料電池車(FCV)に水素を充てんする施設で、おいらせ町豊原2丁目に設置した。ホンダと岩谷産業が共同開発した「スマート水素ステーション(SHS)」を採用した。北東北で固定型の水素ステーションを開設したのは初めてとなる。

 SHSは、1日に1.5kgの水素を製造し、19kgの水素を貯蔵できる能力がある。FCVには35MPaで充てんする。敷地内には、出力30kWの太陽光パネルと同出力のLiイオン蓄電池を併設しており、太陽光の発電電力で水を電気分解して水素を製造する。設置した太陽光パネルの容量で、提供する水素のほぼすべてを製造できる見込みという。

 太陽光パネルと蓄電池はリユース(再使用)品を採用した。太陽光パネルは北海道で被災して撤去された独ソーラーワールド製、Liイオン電池は東芝製のLiイオン電池「SCiB」の使用済み品をリユースした。

 SHSの水素製造で排出される水の凍結を防ぐ空調システムには、積水化学北海道(北海道岩見沢市)が開発した地中熱利用の空調・換気システム「エスロン リブクール」を採用した。地中1~3mに熱交換パイプを埋設し、熱源とすることで省エネ性を高めた。

 太陽光パネルのリユース・リサイクルのラインは、廃棄物処理事業者のループ(三沢市)の戸崎営業所(同市)の敷地内に設置した。同社はMSMの会員企業の関連会社になる。

 太陽光パネルのカバーガラスからバックシートやセル(発電素子)を特殊なブラシで剥離する「PVスクラッチャー」、パネルを細かく破砕する「PVクラッシャー」などを導入した。東芝環境ソリューション(横浜市)の開発した装置だ。年間処理能力は約2万枚。

 使用済みパネルを受け入れた後、製品のままリユースできるパネルを選別し、残りは材料ごとに分離・分別し、リサイクル(材料の再利用)のルートに乗せる。今回導入した分離処理工程では、アルミ製フレームと端子ボックスを外した後、カバーガラスを分離できるので、それ以外のセルやバックシートの破砕品に含まれる希少金属濃度が高まり、資源価値が向上する。