移動通信事業者業界団体GSMA(GSM Association)は2017年10月9日、中東および北アフリカ(Middle East and North African、MENA)の5Gへの取り組みを含む通信事情をまとめた最新レポート「The Mobile Economy: Middle East and North Africa 2017」を発表した(GSMAのニュースリリース)。レポートでは、この地域を5Gネットワーク商用化が世界で最も早く実現する地域の一つと予測。2025年までに5000万の5G通信を開始し、5Gネットワークが人口のおよそ30%に浸透するとしている。

MENA地域での5G普及率予測
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 これ以外にも、レポートでは、次のような題材を取り上げている。

5G導入への取り組み:
 バーレーン、クウェート、オマーン、カタール サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)といった湾岸諸国(Gulf Cooperation Council (GCC)States)は、世界で最初に商用5Gネットワークの運用を開始する国々となる。UAEの通信事業者Etisalat(Emirates Telecommunications Corporation)やオマーンOoredoo Oman社は既に2020年の商用化に向け、実際のネットワークを使った5Gトライアルを開始、性能や遅延時間の確認などを進めている。まずは、人口密度の高い都市部で3GPPリリース15をベースとしたサービスを開始し、現状のモバイルブロードバンド容量と通信性能を改善。その後、3GPPリリース16に対応することで、大量IoT機器接続や高い信頼性を必要とするミッションクリティカルな通信の実現を進める。

契約者数とスマートフォンへの採用率:
 2016年に3億6000万人、人口の63%だった契約者数は、2020年までに3億9900万人、人口の65%となるが、その数は世界平均である72%より低い水準にとどまる。その理由としては、先進地域市場の飽和や開発途上地域の普及率の壁といったこの地域の多様性が挙げられる。

MENA地域でのネットワーク個別契約者数予測
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 なお、スマートフォンの普及率は、2020年には、2016年末から1億6700万増の4億6300万人になる。

地域の多様性について:
 レポートでは、この地域の国々の移動通信市場の成熟度についても報告している。湾岸諸国の移動通信ネットワーク普及率は、人口の76%、そのうち、バーレーン、クウェート、UAEの3か国では人口の90%以上にもなり、世界で最も移動通信の普及率の高い場所の1つとなっている。一方、アルジェリア、エジプト、リビア、モーリタニア、モロッコ、チュニジアといった北アフリカ諸国の普及率は67%、その他のアラブ諸国では46%に留まっている。これには、契約者数が人口の3分の1にも満たないコモロ、ジブチ、ソマリアなどの国々を含んでいる。

MENA地域の移動通信ネットワーク普及率
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