ディープラーニングによる電池分類評価のイメージ
(出所:GSユアサ)
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 GSユアサとNTTコミュニケーションズは9月29日、ディープラーニングによるデータ処理サービスを用いて、Liイオン電池の状態監視を試みると発表した。NTTグループのAI(人工知能)技術「corevo(コレボ)」を活用する。

 Liイオン電池は、メガソーラー(大規模太陽光発電所)や風力発電向けなどに併設するタイプが増えている。

 これまで電池の状態監視は、定期点検・自動測定で収集された電圧や電流などのパラメータを用いて、あらかじめ想定した関係式やしきい値、経験を積んだオペレーターが分析・診断していた。今後さらに普及が進めば、取り扱うデータ量が多くなるため、オペレーターを増員する必要があった。

 そこで両社は、2016年からAIによる電池の状態監視を検証してきた。2016年の実証では、NTTコムが電池の電圧や電流などの時系列センサーデータから、ディープラーニングにより電池の種類を分類するAIモデルを作成した。

 学習後のAIモデルに追加学習を取り入れ、学習データを増やすにつれて分類の精度がどのように変化するかなどを評価した。その結果、わずかな電池特性の差異を見分け、極めて高い精度で電池の種類を分類できると、確認したという。

 今回の実証では、稼働中の電池からセンサーデータを取得し、ディープラーニングによりAIに学習させ、電池の状態を監視するシステムを構築・検証する。オペレーターの代わりにAIが分析することで、高精度で効率的な電池状態の検知・予知・制御が可能となり、安全性や信頼性が向上するという。また、ネットワーク経由でモニタリングできるため、蓄電池システムのスマート化にも寄与するという。

 蓄電池システムのSOC(State Of Charge、充電状態)とSOH(State Of Health、劣化状態)を高い精度で把握するとともに、バランス良く必要な分だけ充放電し、最適な状態に保つことで、蓄電池システムを効率的に運用する製品・サービスの提供を目指す。

 NTTコムは、状態を検知・予知するAI技術の精度を向上させ、他の製造業にも適用範囲を拡大する。また、他のサービスと組み合わせたAIソリューションを提供することを目指す。