フィンランドの国営企業で空港運営を手がけるフィナビア(Finavia)社は13日、同社が運営するフィンランド国内21カ所の空港から排出される温室効果ガスを2020年までにゼロにするという目標を発表した。

ヘルシンキ空港
(出所:Finavia)
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 この目標の達成に先がけて、まず首都のヘルシンキ空港で2017年中にゼロエミッションを達成するという。

 同空港では現在、出力500kW以上の太陽光発電システムを第2ターミナルの屋上に建設しており、今夏の終わりまでに部分的に稼働を始める計画。2019年の全面的な完成を見込んでおり、北欧のスカンジナビア諸国で空港に建設する太陽光発電所としては最大規模になるという。

 同ターミナルは省エネルギーも進めており、太陽光発電では消費電力の約10%を賄うとしている。また、温室効果ガスの排出量を抑制するため、太陽光発電に加えて、空港内の地上業務に使用する車両の燃料を廃棄物や残渣から製造したバイオディーゼル燃料に転換していく計画である。小型の車両では、電気自動車も併用する。

 ヘルシンキ以外の空港でも、太陽光やバイオ燃料、地熱といった再生可能エネルギーの利用を増やしていく。

 フィナビア社によると、同社の運営する空港から排出された温室効果ガスは、2016年に3万2000tに上ったという。過去10年間、1人当たりの排出量を年平均3%ずつ低減してきたという。

 2020年までの気候変動対策プログラムで主な項目として、太陽光発電所の建設に加えて、風力発電による電力の調達、車両でのバイオディーゼル燃料の採用やエコカーの導入、LED照明の大幅な増加、木質ペレットや地熱の活用、ビルの環境性能基準である「BREEAM」準拠といった建築物における省エネの推進などを挙げている。

 空港における太陽光発電所としては、消費電力のすべてを太陽光で賄うとしたインド・ケララ州のコーチン国際空港(関連記事1)や南アフリカのジョージ空港(関連記事2)、また、主要な国際空港におけるメガソーラー(大規模太陽光発電所)の併設事例としてはインドのデリー国際空港(関連記事3)など、既にいくつかの先行事例がある。

 一方、太陽光発電だけでなく温室効果ガスの排出量をゼロにするという踏み込んだ目標と具体的な行動計画まで明らかにした空港運営会社としては、フィナビア社が初めてとみられる。

 ゼロエミッションへの取り組みを加速する理由として、同社は自主的な温暖化対策の重要性を強調している。米国が「パリ協定」から離脱すると決定したことで、国際的な気候変動対策が困難な状況に直面しているとし、「企業が主導して温室効果ガスの排出量を低減すべき」とした。

 同社のKari Savolainen CEOは、「自社の排出量を最小限にするだけでなく、インドなど環境問題への対応に悪戦苦闘している国々の排出量の抑制にも、排出削減クレジットなどのメカニズムを通じて貢献したい」と述べている。