米ミシガン技術大学(Michigan Technological University: MTU)の研究者らは、太陽光発電をベースとしたマイクログリッドが、レジリエンス(復元力)の向上に効果があるとの研究結果を発表した。米軍基地や施設などに導入することで、電源の複数化により停電を防止でき、サイバー攻撃や自然災害に対する強靭性が増すという。

 MTU材料科学・工学部のJoshua Pearce助教授、社会学部のChelsea Schelly助教授らが「Renewable and Sustainable Energy Reviews」4月号に発表した論文によるもの(図1)。

図1●ミシガン技術大学で博士課程在籍中のEmily Prehoda氏(左)と同大・社会学部のChelsea Schelly助教授
(出所:MTU)
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 Pearce助教授らの研究では、米軍が米国内の基地のレジリエンス強化には出力17GWの太陽光発電が必要としているが、EPC(設計・調達・施工)サービスを行う請負業者のスキルは現在、既に十分であるため技術的に実現可能で、経済的にも望ましいとしている。

 Pearce助教授らは、請負業者として全米トップ20の事業者を調査し、さらにロッキード・マーティン(Lockheed Martin)、ベクテル(Bechtel)、ゼネラル・エレクトリック(General Electric: GE)の3社については詳細な事例研究を行ったという。

 米軍は既に再生可能エネルギーの計画を策定している。2025年までに25%のエネルギーを再エネで賄うというもの。

 しかし、マイクログリッド構築まで完了、またはその計画がある基地は、米国内の400カ所以上のうちわずか27カ所に過ぎないという(図2)。このため、基地の大半は長期にわたる停電に対して脆弱であると指摘する。

図2●米国内にある米軍基地の多くは自然災害などによる停電が発生しやすい地域にあるが、太陽光によるマイクログリッドを構築している基地はまだわずか
(出所:MTU)
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 Pearce助教授は、「再エネの導入は、出発点としては良いが、さらなる取り組みが必要だ。ほとんどの基地が電源のバックアップを(化石燃料ベースの)発電機に依存し、燃料供給の途絶に対しても脆弱だ」と説明している。