東京大学と理化学研究所らの研究グループは2017年4月22日、原子膜材料である二硫化モリブデン(MoS2)の電気二重層トランジスタ(EDLT)構造を用いて、空間反転対称性の破れた2次元超伝導体では特定の方向に磁場を加えた状況で整流特性(ダイオード特性)を示すことを発見したと発表した。次世代の超伝導ナノエレクトロニクス材料の機能開拓をしていく上で重要な知見を与えるものと期待される。

■ニ硫化モリブデン(MoS2)を用いた電気二重層トランジスタ構造。MoS2薄膜の厚さは約20nm。正の電圧を加えることでMoS2の表面(原子層1層分の厚さ)のみ電子が蓄積する
(図:東京大学のニュースリリースより)
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 原子膜材料の一種である層状物質、二硫化モリブデン(MoS2)の高品質な単結晶を用いて、電界効果トランジスタの一種であるEDLT構造を製作した。この構造では、超強電界によって誘起された電子の集団がMoS2の単結晶表面に蓄積できるため、原子層1層分の厚さの2次元超伝導を人工的に実現できる。さらにMoS2は単層構造で面内の反転対称性が破れているため、EDLTはほぼ単層でかつ空間反転対称性が破れた超伝導を実現したことになる。

■MoS2の面内方向の反転対称性の破れ。ある一点を中心にMoS2表面と同じ面内で180度回転(反転)すると元の構造に一致しない構造を「反転対称性の破れ」という
(図:東京大学のニュースリリースより)
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