米国の太陽光エネルギー産業協会(SEIA)は4月19日、大企業が米国市場における太陽光発電設備への投資をけん引、2017年に記録的な設備容量が導入されたと発表した。同協会が調査し公開した報告書「Solar Mean Business 2017」によるもの。

 同報告書では4000社以上の米国企業のデータを集計しており、2017年に約7400件の太陽光発電プロジェクトがあり、その設備容量の合計は2.5GW以上としている。

 SEIAのアビゲイル・ロス・ホッパーCEO(最高経営責任者)は、「米国を代表する企業にとって、太陽光発電の導入は事業経営において常識的な意思決定だ。太陽光が環境面で良いだけでなく、株主や顧客のいずれをも満足させることを大企業は認識している」と述べている。

 2017年に最も多くの太陽光発電を導入した企業は、流通・小売り大手のターゲット(Target)である()。

太陽光パネルを屋根上に設置しているターゲットの店舗
(出所:SEIA)
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流通・小売りやIT系で知名度の高い企業がランキング上位に

 同社は2017年に40MW以上を導入して2年連続でのトップとなり、設備容量の合計は205MWとなっている。

 ターゲットに続いて、ウォルマート、アップル、コストコ、イケアなど一般にも知名度の高いB2C(一般消費財)関連企業が上位10社に並んでいる()。

表●米国企業による太陽光発電設備容量の上位10社
順位企業名業種設備容量 [MW]
1ターゲット (Target)流通・小売205.03
2ウォルマート (Walmart)流通・小売149.43
3プロロジス (Prologis)不動産投資120.72
4アップル (Apple)情報通信79.4
5コールズ (Kohl's)流通・小売51.49
6コストコ (Costco)流通・小売50.75
7ゼネラルグロウス・プロパティーズ (GGP)不動産投資50.21
8イケア (IKEA)家具等販売44.85
9メーシーズ (Macy's)流通・小売35.28
10アマゾン (Amazon)情報通信33.6
(出所:SEIAの公開資料を基に日経BP総研 クリーンテックラボが作成)

 流通・小売業界の企業が太陽光発電に積極的に取り組む理由として、消費者を直接の顧客とするため環境面での真剣な取り組みが業績に繋がり易いこと、大規模な店舗を全米で展開するため、屋根上や駐車場などにまとまった容量の太陽光パネルを設置し易いことなどが考えられる。

 流通・小売りに加えて、不動産投資業のプロロジスとGPP、情報通信業界のアップルとアマゾンがそれぞれ上位10社に入っている。

 プロロジスとGPPはショッピングセンターなどの運営を手がけており、太陽光発電の導入に関しては流通・小売りの各企業に近い動機や背景があると言えそうだ。

 アップルとアマゾンもB2C企業であり、大規模な店舗は必ずしも持たないものの、消費電力の大きいデータセンターを全米各地で数多く運用することなどが、太陽光発電を積極的に導入する背景にある(関連記事1)(関連記事2)。

 SEIAによる報告書「Solar Means Business」は、今年で6回目の刊行となる。一般向けに太陽光発電の啓もうや普及を喚起することを狙っていると見られるが、各企業の事業と関連の深いデータを挙げるといった工夫もみられる。

 例えば、太陽光による電力を使用するウォルマートの来店者数は毎週960万人、アップルが運用する太陽光発電システムは4400万台のスマートフォン「iPhone」を1年間、毎日充電するのに十分な電力を発電する、といった事例である。