サクションバケット基礎工法の構造
(出所:日立造船)
[画像のクリックで拡大表示]
他の基礎施工との比較
(出所:日立造船)
[画像のクリックで拡大表示]
サクションバケット基礎工法のイメージ写真
(出所:日立造船、提供:ノルウェーUniversal Foundation社)
[画像のクリックで拡大表示]

 日立造船は、京都大学および東洋建設と共同で、着床式の洋上風力発電施設の基礎施工として「サクションバケット基礎工法」の適用に取り組む。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「風力発電等技術研究開発/洋上風力発電等技術研究開発/洋上風力発電システム実証研究(低コスト施工技術調査研究)」の委託事業で、2月28日発表した。

 サクションバケット基礎工法とは、円筒形の構造物である「サクションバケット」の内部を排水することで静水圧以下の状態にして海底面下に貫入する手法。発電事業が終了し撤去する場合は、貫入時と逆方向に加圧することで完全に撤去できる。

 従来のモノパイル基礎工法は杭の根入れに30m程度の堆積層が必要だが、日本の沿岸海域は堆積層の厚さが見込めない海域が散見され、技術と費用の両面で制約があった。サクションバケット基礎工法は、欧米では堆積層の厚さ10m程度でも基礎を築いた実績があり、日本でも設置可能な範囲が広がることが期待される。

 また、設置時に杭を打設するための大型重機が不要で、構造物の鋼材を軽量化できる。同社の試算によると、1ウインドファーム(風車15基)を設置する場合でモノパイル基礎工法の工期より1年短縮することができ、EPC(設計・調達・施工)にかかる費用も7%コストダウンできる見込み。

 日本風力発電協会のロードマップでは、着床式洋上風力発電の導入量は2030年に累計580万kWに達すると想定している。同社は今後、日本の洋上環境に合わせた設計・施工手法の確立を図り、同工法の実用化を目指す。