米オハイオ州のエネルギー事業大手であるアメリカン・エレクトリック・パワー(AEP)社は2月6日、将来に向けたクリーンエネルギー戦略を発表した。

 「未来のクリーンエネルギーに向けた戦略ビジョン2018」として同社がまとめた報告書を公開したもの。

 温室効果ガスを2030年までに2000年比で60%、2050年までに同80%削減する目標を新たに設定、それを実現するために再生可能エネルギー資源や、電力網の効率を改善する先端技術への投資を強化するとしている。

 再エネでは、2030年までに太陽光を3065MW、風力を5295MW、それぞれ増加させる(図1)。

図1●米AEPによる太陽光と風力の増設計画
(出所:AEP)
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 同社が2017年11月に発表した設備投資の計画でもクリーンエネルギーを増強していたが、再エネの内訳を明らかにしていなかった(関連記事1)。今回、太陽光と風力の容量目標を示すとともに、合計の容量も3750MW(3.75GW)から8360MW(8.36GW)へと、2倍以上に積み増した。

 風力では、竣工時に全米で最大となる「ウインド・キャッチャー(Wind Catcher)」プロジェクトをオクラホマ州で計画通り進める(関連記事2)。

 市場からの再エネ調達にも積極的に取り組む。同社は2018~2020年の期間に、契約に基づいて再エネや蓄電池併設型のプロジェクトに約12億ドルを投資する計画である。

 電力網の強化に関しては、今後3年間で約130億ドルを送配電系統に投資する。

 同社の発電設備容量は、2005年に70%を占めていた石炭火力が現在では47%となり、2005年に19%だったガス火力は現在27%に、2005年に4%だった再エネは現在13%までそれぞれ増加したという。

 2030年の時点における電源構成では、石炭火力は33%まで減少させ、ガス火力は24%と微減、再エネは30%までさらに拡大させる(図2)。

図2●米AEPの1999年から現在、2030年までの電源構成の比率の推移
(出所:AEP)
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 同社のNicholas K. Akins会長兼最高経営責任者(CEO)は、「顧客はクリーンなエネルギーや新技術を、株主は投資した資本の保全と魅力的なリターン、気候変動リスクの管理を求めている。今回発表した長期戦略で、それらの両立を実現できる」と述べている。