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図 沖縄の試験局の様子
 チャレナジー(本社東京)とスカパーJSATは、風力発電と衛星通信を合わせたサービスを2019年度中に事業化することを目指して協力すると発表した(ニュースリリース)。電力・通信インフラが脆弱な国や地域を主な対象としたもので、第1弾として2018年1月10日から沖縄県で共同実証実験を開始した。2019年度中には、チャレナジーの風力発電機とスカパーJSATの衛星通信サービスを組み合わせたシステムの提供を目指すとしている。

 チャレナジーは、台風のような強風・乱流下でも安定した発電が可能な「垂直軸型マグナス式風力発電機」(以下、マグナス風車)の開発を進めている(関連雑誌記事)。同風力発電機は、マグナス効果と呼ぶ物理現象を利用したもの。一般的なプロペラ風車のような騒音やバードストライクの環境影響も低い。こうした特徴を生かし、従来は高価で環境負荷の大きなディーゼル式発電に頼らざるを得なかった離島や山間部での風力発電による電力供給実現を狙っている。

 一方、離島・山間部などでは、高度な通信サービスの提供や大規模災害時の災害復興通信手段として衛星通信に期待がかかっているが、そのためには地上の通信機器を稼働させる電源が必要となる。そこで、両社はマグナス風車を活用することで、離島・山間部でも通信機器を安定稼働させることを狙う。加えてスカパーJSATは、高度で確実な利用を求める国内の災害通信需要への対応を強化するとともに、電力・通信インフラが脆弱な東南アジアや太平洋州の島嶼国などでのサービスの拡大を図る狙いがある。マグナス風車の稼働状況および保守・メンテナンスのタイミングを、衛星通信を用いてリアルタイムで把握するアフターサービス網の構築も目指す。

 事業化に向けた協力の第1弾となるのが共同実証実験。具体的には、沖縄県南城市にあるチャレナジーの沖縄試験場(関連記事)の試験機に、スカパーJSATの衛星通信システムを接続。[1]地上通信機器の稼働と通信環境の維持、[2]衛星通信によって稼働状況を把握するシステムの運用、[3]試験機と衛星通信を用いた自律的なWiFiインターネット通信の維持、を実証実験の目的とする。

 実証実験期間は、2018年1月10日~3月31日。試験機の定格出力は1kW程度で、通信衛星としては「JCSAT-2B」(最大通信速度:上り400Kbps、下り4Mbps、最大必要電力:約45W)を用いる。