「長期使用ならコスト競争力」

 こうした改良は実用化を想定したもので、低コスト化とより安定的な回転制御が可能になるという。「競合するリチウムイオン蓄電池と比較しても、長期運用を前提にすればコスト面でも戦えるレベルになってきた」(鉄道総合技術研究所)という。

 フライホイールによる蓄電装置はすでに実用化されているが、従来はベアリングなど接触型の軸受だった。超電導技術を使った磁気反発力によって軸受けを非接触にすると、摩擦による熱損失がなく、長期の耐久性が確保できる。これまでの実績では、充放電効率は約87%に達し、リチウムイオン蓄電池を上回る水準になるという。

 ただ、超電導状態を維持するために冷却機で冷やす必要があり、そのためのエネルギーが必要になる。冷却機の消費電力は最大で2.9kWで、実証機の出力の1%以下に留まり、「システムの効率に大きな影響を与えるレベルではない」(鉄道総合技術研究所)という。

 山梨県では、今後2年程度、隣接するメガソーラーの出力安定化のためのよりきめ細かな運用などを繰り返して実績を積みつつ、県内企業を主体に、製品化するスケジュールを掲げている。また、将来的には「超電導磁気軸受(SMB)」の性能を高めてフライホイールの重量を10tまで重くして、大規模化する開発計画を持っている。

図3●メガソーラーの短周期の出力変動を緩和する
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
図4●「超電導フライホイール」の構成イメージ
(出所:山梨県)
[画像のクリックで拡大表示]