2017年6月、米Formlabs社と米New Balance社がシューズのミッドソールを3Dプリンターで製造することについて提携すると発表した(図1)。材料や装置も新規に開発し、2018年には製造を開始する計画だ。

図1 ミッドソールを3Dプリンターで造形するシューズ
3Dプリンターメーカーの米Formlabs社とスポーツ用品メーカーの米New Balance社は提携し、シューズのミッドソールを3Dプリンターで製造する。材料は新規に開発する予定だ。 (写真:Formlabs社)
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 Formlabs社はマサチューセッツ工科大学(MIT)発のベンチャー企業で、2011年に創業した。低価格かつ高精度な3Dプリンターを開発するとしてクラウドファンディングの「Kickstarter」で注目を集め、2012年に「Form 1」を製品化した。

 Form 1は光硬化性樹脂に選択的に光を当てて硬化させる液槽光重合(光造形)法の3Dプリンターで、樹脂タンクの透明な底面を通して光を当てる規制液面法を採用している。レーザー光はガルバノミラーで走査するタイプである。

60万円で高精度な光造形を

 Formlabs社が目指すのは、「工業用途で使える精度を備えながら、低コストで使いやすい3Dプリンター」(同社Chief Product OfficerのDavid Lakatos氏)。実際、現行機種の「Form 2」の日本市場における価格は約60万円と、光造形法の3Dプリンターとしては安価だ*1

*1 Form 2の最大造形寸法は145×145×175mm、積層厚さは25~100μm。レーザーの出力は250mW、スポット径は140μmである。

 使いやすさの点でも、樹脂の供給をカートリッジ式にしたり、前処理用のソフトウエアや操作画面を工夫したりすることで幅広いユーザーが簡単に使えるようにしている。精度面では、タンクの上面から造形物を引きはがす仕組みや樹脂をタンク内に均一供給する仕組み、材料の温度を適切に保つ機能などを備える。

 造形材料としては、透明/白色/灰色/黒色のスタンダードタイプや柔軟性がある素材に加えて、2016年には耐熱性が高い素材やポリプロピレン(PP)ライクな高靭性素材、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)ライクな高強度素材も追加。また、宝飾業界向けとしてロストワックスに使える素材や歯科業界向けの素材などもラインアップする。

 「現在よりも柔軟性を高めた材料なども開発していく」(同氏)と、造形材料のラインアップは今後も増やしていく。セラミックス粉末を混ぜ合わせた材料も開発中だという。造形物を焼き固めることで、セラミックスの立体モデルを造形できる。

 同社の3Dプリンターは現在、「全世界で2万500台、日本でも1000台以上が稼働している」(同氏)という。2017年4月には米国とドイツに次ぐ3番目のオフィスを日本に開設するなど、「ユーザーの技術レベルが高い日本市場には大きく注目している」(同氏)。

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