今回は「変わらないトップマネジメントの姿勢」を「自主性」の視点から述べる(図1)。まずトップマネジメント自らが確保すべき「自主性」について、次にトップマネジメントの働きかけによって社員に対して確保すべき「自主性」について解説する。

図1 「規律の基盤の上で自由を発揮する自主性の概念図」(左)と「変わらないトップマネジメントの姿勢」の指針(右)
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経営責任を果たすには情熱が不可欠

 トップマネジメントは、顧客の価値創造に貢献することで持続的に事業を成長させる経営責任を担う。その経営責任を果たすために「自主性」を発揮することを期待されている(図2)。

図2 トップマネジメントの「自主性」の確保の概念図
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 トップマネジメントが最初にすべきことは、会社が進むべき方向をビジョンとして明示することである。その際には断固たる自主性を発揮する必要がある。つまり、自分で発想し、自分の意志で判断し、自分の定めた規範に従って自分を規制し行動することが求められる。たとえ困難にぶつかったとしても、経営責任を放棄したり目標達成を諦めたりしてはならない。これが、トップマネジメントの「進むべきビジョンを明確にする自主性」の確保に当たる。この際に起点となるのが、高いモチベーションと厳格な規律である。

 両者を起点としながら、さらに、トップマネジメントとしての役割をやり抜く、折れない心を持つ必要がある。折れない心を支えるのが情熱である。情熱こそが、ビジョン実現のための自主性を強固に裏打ちしてくれる。従って、もし情熱が枯渇したと自分で判断したときは、トップマネジメントの地位から自らの意志で降りる覚悟がいる。なぜならば、泉(トップマネジメントの情熱)が枯れてしまえば、その下流にある川(社員の情熱)は干上がってしまうからだ。持続的に成長を可能にするトップマネジメントの最も基本的な役割は、会社全体の泉となる情熱をみなぎらせることである。この情熱が力強いリーダーシップを生み、「ビジョンの実現に向けて徹底して実行する自主性」を発揮する原動力になる。

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